人生100年時代の到来に合わせて「70歳定年法」が制定されて、一応70歳までは働けるように道筋が付けられたようにも見えますが、もしかしたら実質ほとんど意味のないものとして終わってしまいそうな雰囲気もあります。
結局だれにも他人の面倒を見る余裕はなさそうなので、将来のことは自分で何とかするくらいの気構えで居るのが良さそうです。
ですが「何とかする」とはいっても、歳を取ってから若い時のようにどこかに雇われて働き続けるのは難しそうなので、働く以外の方法で稼げるようにしておくことが大事だったりします。
法律は作られても、あまり機能しないかも?
今年の3月にいわゆる70歳定年法が可決されて、来年から企業には労働者の70歳までの雇用の努力義務が課されることになりますが、ITmediaの「 70歳まで会社にしがみつく人」が結局、会社を弱体化させてしまうワケ 」にもあるとおり、人を雇う側にとってみれば、この法律ができることによるメリットはほとんど何もありません。
それでもできればそれほど必要でない人も雇い続けて定年後も面倒を見てやってほしいということで、とりあえずは努力義務から…ということで作ってみたのかもしれませんが、おそらくほとんど機能せずに終わるような気もします。
年金受給開始年齢の70歳への引き上げが検討されていることもあって、一旦の定年からの10年間をそれぞれの勤め先に面倒を見続けさせたいということなのでしょうが、雇う側にしてみれば激しい競争の中での生き残りが掛かっている中で、組織の老化をそのままそれを受け入れることはできません。
なので企業などはこうした負担の将来の義務化なども早くから予見して、コロナ禍とは全く関係なく、すでに昨年の夏あたりから大量の人員整理を前倒しして始めています。
早ければ40歳代でコスパに見合わなくなる人もいるということで、対象となっているのは40歳以上ということころが多く、なるべく将来に高齢の人員を抱えないようにと着実に雇用負担義務の軽減を進めているようです。
法律は作られたものの、先に逃げられてしまっていることから、ほとんど意味はなかったようにも見えます。
とにかくこのように、財政が持たないということで年金も受給年齢の70歳への引き上げが検討されていたり、企業などもこれ以上は人員を一生分抱え続けることは出来ないとしていることから、結局だれも人の一生の面倒を見てはくれなさそうですね。
世の中全体で見れば人手不足の傾向にあるのかもしれませんが、でもそれを細かく見てみると、足りないのはもともと超高度なスキルが必要とされる分野だったり、キツくてなかなか人が集まらない分野だったりします。
デスクワーク系のいわゆるサラリーマン的なお仕事の案件については、逆に人が要らなくなっているようで、周りでもいちど40歳以上で職を失って再就職までにかなりの時間が掛かっていたり何年経っても中々見つからない様子を見ていると、 徐々に減ってきているように見えます。
じぶんではなく何かに代わりに働いてもらう
今は…
例えばどこかに雇い続けてもらうために一生懸命勉強をして関連するスキルを積んだとしても、雇ってくれるところが無ければそれを活かせません。活かせなければお金は稼げないので無駄になってしまいます。分野によっては進化についていくのも大変です。
無理に人とのつながりを広げるのも役に立たない可能性があります。今いる勤め先や取引先あるいはまったく別のところで人脈作りに励んだとしても、相手がずっとそこに居続けられるかどうかは分かりません。数打ちゃ当たるの考えも在りますが、人付き合いが増えると色々と負担にもなりますし、「ちょっと知っている」程度の付き合いであれば、あまり頼りにはなりません。
今の高齢の人たちは若いと言われているので、70歳近くで働き続けようと思えば働き続けることは可能ですが、実際に就ける仕事は限られているようです。現役の頃と同じ内容で同じ待遇を受けられる人はほとんどいないようです。
そう考えると、使えるかどうかも分からないものを積み続けるよりも、ほぼ確実にお金を生んでくれるであろうものを積み上げていったほうが、将来少しでも安心に近づけるかもしれません。
持っていればそれだけで勝手に稼げるというほど甘くはありませんが、例えば不動産や株式やサイトなどは、適切にメンテや調整をしていけば、自分の年齢や雇用状況などに関係なく、長期で安定的に稼ぎ続けていくことができます。
対象に何を選ぶか、いつ始めるか・いつ止めるかも自分で決めることができます。勤め仕事はそうは行きません。ほとんどのことは勤め先の都合次第で決まります。
勤め先からもらう給料とちがって、一度使って無くなる=またじぶんが働かなければならない、というようなこともありません。繰り返し使えます。
残念ながら将来の安心や幸せは、だれか/何かが自動的にくれることはありません。70歳までひとのものに期待し続けるのではなく、自分から積極的につかみにいきましょう。