老後が不安だけど投資や起業はコワいから…ということで、ずっと勤めだけに頼り切りの人がほとんどなのかなと思うのですが、その状態はかなり危険です。
決して良いことだとは思いませんが、事実として以前とは違って今は勤め人の雇用や暮らしが守られて当たり前のものではなくなっているので、将来に備えたいのであれば、常に他人の都合に左右されるものではなく、ある程度自分のコントロールが効くものを少しでも多く積み上げて稼げるようにする必要があります。
労働は長期の安心・安定を与えてくれない
この先は給料だけをベースに将来設計をしたり老後に備えたりするのは難しくなるそうです。
↑こちらはちょうど見つけた時事通信社の記事「人事評価の公平性が課題 トヨタの新賃金制度」についていたFPのコメントですが、この中にこの先意識しておくべきことが凝縮されていますので、これをもとに、将来設計をするためにはなぜ「働く・貯める」以外のことも学ばなければならないかを順に解説していきます。
まず給与体系についてですが、これまでは日系企業の多くでは給料は大体横並びだったようですが、それではなかなか優秀な人材を集めることができません。そうした状況を変えるべく、昨年あたりから超高度な技能を持つ人には高額の給料を払って迎えるというケースが増え始めています。彼らには1,000~数千万円の給料が支払われる一方で、いわゆる普通のワーカーに支払われる給料は良くてそのままもしくは下がるのかも。
トヨタでもそのよう形で給与体系を変えていくということは、これも昨年末だったか、雇用の在り方や定期的な自動の昇給を見直していくと会見があったとおり確実にその方向で進んでいるようです。
そうなると払った分に見合った働きがなければ出す、ももっと当たり前のものとなっていきそうですね。
外資で給料の話は厳禁とありますが、実際は話せないという雰囲気でもありません。勤め先のビジネス規模やポジションによって大体の相場は決まっていて職責を聞けば大体いくらかは分かるもののなので(それに入社タイミングなどで変動や格差があることも当たり前で、お互いにそれは分かっていることなので)、あえて具体的な額を聞かなくてもよいので金額について話さないだけという感じです。
とにかく、この先は給料の額が一生を通して安定もしくは緩やかに上がっていく、が普通ではなくなるので、ライププランを組む際も例えば40歳時にはこれくらいの給料になっているはず…という前提で組むことにあまり意味が無くなります。
それどころか雇用自体も不安定なものになっていて、早ければ30代・40代になると整理の対象になることもわりと普通のこととなりつつあるので、よくある「ずっと同じ職場で働き続けた場合は」という前提条件も成り立ちません。
そうなると「生涯賃金○億円」という言葉にもあまり意味がなくなります。
「働く」をライフワークではなく、お金を稼ぐ手段の一つとして扱う
普通に働いて最後までそれ一本で生きていくことができないのであれば、どうすればよいのか。現実的で有効な手段としては、起業して自分でビジネスを始めるもしくは投資をして別の収入源を持つ、等の方法があります。
自分で何かビジネスを始める場合は色々な下準備が必要ですが、投資をする場合も資金の準備や事前の調査などが必要なのは同じながら、学歴や資格などは要りません。
ゼロの状態から投資の資金(種銭)を作るためには、まずどこかで働くことが必要です。
「労働・給料に頼り切るのは難しい」と言っておきながら問う言うことか?と思うかもしれませんが、これは、どのような仕事でもいいからとにかく勤め先をひとつの収入源としてだけ見て活用し、毎月数万円でよいので、お金を稼いでくれる資産を買うための資金を貯める、という意味です。
全く働けないとなるとさすがに種銭を作るのは難しくなりますが、働くことさえできれば投資をしてお金を稼いでくれるものを積み上げていくことは可能です。
雇用は不安定・昇給もないとはいうものの、仕事自体も選び過ぎなければあるにはあります。どこかで働き続けさえすれば、種銭を作ることができます。
投資の対象は例えば中古の戸建てなどの不動産で毎月3万円以上の家賃を生んでくれる200万円前後のものや年利換算で4~5%の高配当が付く銘柄の株式などです。やると決めて始めてから最初は何年も掛かりますが、最初に買う資産がお金に対する考え方を大きく変えてくれるはずです。
こういったものを、どんな仕事でもいいので働き続けながら積み上げ続けることで、いつかは自分の給料の大半もしくはほとんどに当たるくらいの額を副収入で稼げるようになります。
そうすれば、仮にもし一生を通して給料が安かったとしても、既にクビや老後への備えも出来ている状態にあるので全然問題はありません。
時事通信「民間給与、7年ぶり減少 平均436万円、19年分 国税庁」をみると、こタイトルのとおりに給与は平均して436万円と勤め人の稼ぎは一昔前とそう大きくは変わりません。
普通に働いているだけだとこの平均値のようにいつまでも何も変わらないだけとなり得るわけですが、毎月の副収入の額自体を着実に伸ばしていけば、この先ずっと今のような情勢であったとしても生活に余裕を持ったり、貯金なんかでは得られない安心(=雇われなくてもお金を稼ぎ続けられる)を得ることができます。
貯金(現金)は一度使えば無くなるので、どんなに積み上げても安心できません。労働は再利用して自動的に稼ぐといったことができないので、歳を取った時に同じことを繰り返し続けるのはキツくなります。それに対して、投資にはクビもなく、何度でも使うことができます。
起業や投資にリスクがあることは確かで、これをゼロにすることは不可能ですが、リスクがあるのは労働についても同じです。元手が完全にゼロでも始められるというメリットはありますが、突然無収入になったり体を壊すといった大きなリスクがあります。
同じリスクがあるならば、人の都合に左右され続ける労働だけにずっと頼り続けるよりも、ある程度自分で何とかできるものを増やすほうが人生が安定します。