マネー&ライフ

老後の生活費はどれくらいと見込めばよいのか?

国内ではとりあえず一旦はコロナ禍も落ち着きつつある中、今回の事態は何とか乗り超えられたものの、この先は雇用も年金もどうなるか分からないので将来が不安という人は多いと思います。

そこに目を付けて最近また、そうした将来不安解消のためにファンドを買い現金の塊を作りましょう的なものを多く目にするし、DMが届いたりしますが、今回は実際老後の生活には毎月幾らくらいか掛かるのか、もし年金収入だけではカバーできず生活費が不足するのであれば、その不足分をどう補えばよいかについて触れたいと思います。

毎月どれくらい出ると見込めばよいのか?

もともと50代の人の老後の準備のために書かれたものですが、LIMOの「老後は年間いくらで暮らす前提にすればいいのか」によると、老後の毎月の生活費としては、大雑把に見て現役時代の約7割くらいを見込んで準備しておけばよいとあります。

ただ、ざっくり7割程度というだけでは個々の稼ぎ次第となってしまい平均的な額がいくらなのかは分からないままですから、大体の目安としては、昨年6月に金融庁に提出された報告書にある月額24~25万円くらいと考えておけばいいのかもしれません。

ここでも何度か触れた総務省の消費動向の統計などでも、夫婦二人で無職の高齢者世帯の毎月の生活費の平均は約22~23万円くらいとなっていますから、予備費として1~2万円見込んで、毎月24~25万円としておけば大体足りるはずです。

いわゆる「ゆとりある老後生活を送るためには毎月36万円…」は無視していい

ファンドへの買い付け勧誘にはよく、「ゆとりある老後生活を送るためには、毎月36万円近くの生活費が掛かり、「平均的な暮らしぶり」と比較すると、なんと12万円も不足することになります!」とか書かれていることがありますが、多少ゆるく出費を管理している程度ではそこまでのお金は掛からないようです。

実際、同じような規模で投資をしている父のように家賃や配当などの上がりが大きくて仮にもし年金の支給がゼロでも全く困らない人でも、ふだんの生活費は先程触れた平均程度でしかないなので(まだ医療費が掛からない年齢だからというのもあるかもしれませんが)、よほど無理にでも毎月旅行に出るとか毎食外食/デリバリーでもしなければ毎月12万円も飛び出たりはしないようです。

総務省と厚労省の統計を見比べると調査対象の範囲も異なるので毎月2~3万円分の差が出ますが、どちらにしても、普通に暮らしていれば夫婦二人で老後生活に掛かるお金は毎月20~25万円くらいで済むと示されており、毎月36万円も掛かるようなことはありません。65歳以上の一人暮らしの場合は、毎月11~15万円程度とあります。

「ゆとりある老後生活を送るためには毎月36万円…」的な煽りの一文は、根拠が薄いので無視して構いません。

どう備えるのが良いか

とはいえ、毎月の生活費が20~25万円で済むにしても、年金収入だけでは生活費が賄いきれないというのは本当のようです。

「老後2,000万円問題」で話題となった昨年6月に金融庁に提出された報告書には、老後の毎月の生活費不足分は4~5万円とあり、総務省の消費動向の調査結果にも、毎月約1万円強足りないとあります。(⇒老後対策には現金で2,000万円も必要なく、500万円もあれば十分という研究結果もある

おそらくこの消費動向の調査結果のほうが実態に近くて正しいとは思うのですが、いずれにしても少し足りないのは事実で、この分は働くか、貯蓄を取り崩すか、あるいは投資の上がりを得てカバーする必要があります。

FPの多くは、若い頃からファンドを買い続け、ちょうど引退時にある程度の規模の現金の塊を確保するプランを推奨していますが、人間の寿命はなかなか予測ができません。平均で何歳までと言われてはいても、思わぬ長生きをしてしまうことはあるので、準備した現金の塊では足りなくなる可能性も十分にあるので、この方法ではあまり安心はできません。

それに対して、投資で上がりを得てカバーする、の方法であれば、もっと少ない金額で長期で安心して暮らしていくことができます。

毎月4~5万円でよいのであれば、高配当が付く株式ならば1,000万円程度の資金で、もしくは不動産であれば300~400万円程度の資金で毎月それ以上の家賃を得ることができます。

現金は一度使えば手元から消えて無くなります。消えて少なくなると心細さを感じるので、いくら積んでも安心はできません。

60代~70代前半でも、アルバイトで二人で2~3万円ずつかせいでカバーすることは出来ますが、健康な人でもずっと働き続けるのは大変なようです。

株式や不動産などは一度軌道に乗せれば自分が動く必要もなく、何度使っても無くなったりはしません。市場で取引されるものなので価値は日々変動するし、事前に決められた料率あるいは金額以上にもうけることもできませんが、稼ぎは安定していて、何も生んでくれない・使ったら消えてしまう現金をただ貯めて持つよりも安心です。

将来の安心を得るためには、ひたすら現金を貯めるよりも、衰える自分の代わりに動いてくれるものを増やすことが重要です。

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