実際どれほどヒドいのか確かめてみようと思い、在宅の間に数局のワイドショーを見てみましたが、たしかに偏向報道が多いようです。電波だけでなく紙も大体同じようなもので、どれを見ても読んでも「日本の対策は遅れている」「もうダメだ」的な論調一辺倒で違和感があります。海外に長く住むとあらためて日本の良いところが色々とが見えたりもするのですが、もし外に出なかったとしても他の国々の状況を公表されている指標などで見比べてみると日本はそれほど悪い状況にないことがわかります。
古いメディアも今までは煽り立てれば視聴率・部数が稼げたのでしょうが、ダメそうな一面しか伝えないのであれば不要と思われても仕方ないという印象です。他にも理由はありますが、そのままで居続ける限りは高齢の人たち以外からは見向きもされず、TV離れ・新聞離れが進むだけのような気がします。
海外の雇用状況についてはあまり触れられない
日本のオールドメディアにはよく欧米礼賛があふれていたりしますが、Forbes日本版の「ウーバーはZoomで大量解雇通達 コロナで露呈した各社の真の姿」などを見ると、彼らが好きな欧米の雇用面のかなり厳しい現実が窺えます。
日本ではなく外資の本国での様子のようですが、新鋭の大手各社や老舗の航空会社などがコロナ禍の影響を受けて、かなりの人数削減に動き始めたようです。元からアメリカなどではわりと人が簡単に切られる代わりに労働市場に流動性があるといったことは知られてはいますが、それにしてもこの時期に職を失ってしまった人たちにしてみれば、大変であることには変わりありません。これまでに失われた雇用の数も2,000万件以上に上るらしく、何年も掛けて作り出された雇用がたったの2か月で全て吹っ飛んだとか出ていたような。年齢による区切りが日本ほどビドくないとはいっても、案件自体が少なくなれば再就職がキツいのは同じです。
日本も本格的に雇用に影響が出るのはこれからだとは思いますが、それでも今のところはまだ数百万件単位で職が消えたといったことは起きておらず’(最終的にはこの規模まで増えるとの予測もありますが)、たしかに削るべきところを削り切れては無い面はあっても、できる限りの対策を打って何とか踏ん張っているのでかなりマシなようにも見えるのですが、こうしたことについてはあまり古いメディアでは報じられないのが不思議です。
コロナ禍についても伝え方に偏りが
今日の趣旨からは少し逸れますが、コロナ禍についても同じことが言えそうです。3~4月にここでも何度か触れましたが、特にワイドショーなどはこぞって日本の対応が遅い・緩いなどと散々言い立て欧米を礼賛していたものの、結果を見るかぎりでは、彼らの成績は決して褒められたものではありません。クルーズ船を他人事と見てしまい初期に戸惑って不手際があったのも同じです。
まだ終わったわけではありませんが、特に死者数という分かりやすい指標を見比べると、日本で亡くなった方の数はどの国と比べるかにもよりますが大雑把に見て彼らの数十分の1程度で、緊急事態宣言についても強制力が弱いとか言われながらも爆発的感染の発生を防いだという大きな結果を残しているわけですから、日本はかなり善戦していると言えます。
もちろんこれは医療に従事している方たちのおかげで、元々の衛生観念の高さや一人一人の頑張りや地道に感染源周辺をおさえ続けた効果等もあるからでしょうが、これほどの人口規模・密度がありながら亡くなる人の数を何とか小さく抑えているということは、総合的に見て日本の医療のレベルやシステムもかなり優秀だからのような気がするのです。医療についてはDr.Tにも聞いてみないとですが、日本で流行ったものが弱毒性だったからとか言われていたりもするのですが、外から持ち帰られた菌には欧米系のものあり、それらがご当地のものより都合よく「たまたま弱かった」とか日本向けに手加減してくれたなんてことはまずないと思うのですが…。
ワイドショーが好む検査数(検査で病気は治らないと思うのですが…)以外に彼らがよく使うもうひとつの指標である集中治療室の数を見比べると、数だけを見れば欧米のほうがもっと人を救えるはずなのですが、それでも死者数が多いのは何故なんでしょう。簡単に患者を見捨てない・廊下に患者が多数転がっているようなことはなかった・どんな患者でも最善を尽くすといったところも日本のすごくいい面だとは思うのですが、こういう部分はオールドメディアがなかなか取り上げません。批判に使えなければ触れるだけ時間や労力の無駄と見ているのでしょうか。
ワイドショーはただのショーで、報道ではないのでこういうことは仕方ないかもしれませんが、ショーがあたかも全て事実であるかのように扱われているのは良くありませんね。
経済面もそこそこ悪くはない環境
恵まれているのは医療面だけではありません。経済面においてもかなり希少で恵まれた環境と言えます。あまり文句を言いすぎなければ仕事も見つかり何とか食べられます。少子化が進み厳しい面もありますが、少ない元手でも投資をしてそこそこの暮らしを手にすることもできます。
同じように小額からでも投資が可能で、普通に食べていける稼ぎを得られるようになれる国はすぐには他に思いつきません。多くの国ではこれまでわりと順調に経済成長を遂げてきた分、資産価値もそれに合わせて上がったため、投資を始めるにあたって必要となる元手も大きくなります。ですからそうした国々では普通の人が投資をして逆転するといったことが容易ではありません。
何を根拠にかはわかりませんが老後の暮らしについても隣の芝は青く見えるのか、これも前にも少し触れましたが、例えば以前居た豪州の高齢者の貧困率は35%と高く、老後に3人に1人が困窮してしまう社会というのはかなり過酷です。欧州ではないですが他の案件ではよく参考にすべきとか言われる隣国についてはこれが2人に1人になるわけで、「彼らを見習え」というのはこういう部分も含めてでしょうか。
無条件で日本を礼賛しろなんて誰も言いません。細かく見れば色々と不合理だったり非効率なところはいくらでもあります。ですがそれは他の国でも同じです。そういう中でも、こうしてみると日本はそれほど悪い環境ではないのかもしれません。