デジタル通貨

暗号資産Dashの特徴や今後

数ある仮想通貨が躓いてしまっている実用化ですが、数少ない実用化に成功している仮想通貨が「Dash」です。実用化に成功している仮想通貨はDash以外にもありますが、送金に時間がかかったりしているのが現状です。しかし、Dashはわずか数秒で送金が完了するという送金スピードの速さと追跡がほぼ不可能な送金時の匿名性の高さが売りです。

Dashの成り立ちと特徴について

Dash(ダッシュ)は、現金のように決済に使われるようになることを目的に2014年にBytecoin(バイトコイン)をモチーフにして設計されました。ローンチした時はXCoin(エックスコイン)という名前でしたが、後にDark Coin(ダークコイン)」という名前に変わりました。しかし、Darkは日本語にすると闇や暗闇などといった意味の言葉になりますし、印象が良くないということから2015年にDark Coin(ダークコイン)からDashに名前が変更され今に至っています。

Dashの特徴としてまず挙げられるのが取引完了までの速さです。仮想通貨で最も有名なビットコインは取引の承認まで10分程度かかることも多いですが、Dashの場合は2秒かからずに取引承認が行われるので非常にスピーディーな決済が可能となっています。また、送金方法でコインジョインやコインミキシングなどと呼ばれている方法を採用しています。このコインジョインやコインミキシングなどと呼ばれている送金方法は、非常に匿名性が高く誰が誰に送ったかがほぼ分からないのが特徴です。そのため、Dashのような匿名性が著しく高い仮想通貨のことを匿名通貨と呼ぶこともあるのです。

Dashはマスターノードと呼ばれる人達が存在します。マスターノードは、1000DASH以上を保有している人がなることが出来るもので、マイニングによるブロック報酬45%を受け取ることが出来ます。また、マスターノードは毎月月末に行われる開発者らからの今後の運営に関する提案に賛成か反対かを投票することが出来る権利も持つのです。ただし、マスターノードになるためには1000DASH以上を保有しているだけではなく、24時間ノードをフル稼働させるなどの義務も生じます。

Dashは資金の調達方法も他の仮想通貨とは異なります。ビットコインなど他の仮想通貨は、ボランティアや寄付によってプロトコル運営の資金を調達しているのですが、Dashは自己完結で資金調達をしています。マイニングによるブロック報酬の内訳は、マイナーとマスターノードがそれぞれ45%で、残りの10%が運営資金です。この10%はブロックごとに集められ、毎月末にマスターノードの投票で決まる運営方針や新規プロジェクトといったコアメンバーに資金投入することになっています。これによって、外部の団体や個人に頼らない運営をすることが出来ますので、他の仮想通貨よりもクリーンな運営を実現することが出来ています。

Dashの現状と今後

Dashの現状は非常に厳しいです。というのも、世界中の取引所で取扱を中止するところが増えているからです。これはDashなどの匿名通貨はマネーロンダリングなどの犯罪に使われやすいため規制が強まっていることが原因となっています。この規制は今後世界的に強まっていくことが予想されますので、いかにこの規制に向き合い問題をクリアしていくことが出来るかというのがDashの課題と言えるでしょう。

しかし、悪いことばかりではなくアジア最大の決済サービス企業アロゲートウェイと提携するという良いニュースもあります。これはDashの決済スピードの速さが評価されたからで、Dashの技術力は高く評価されている証拠です。

Dashの今後の動きについてですが、2017年12月20日に史上最高値を付けましたが、現在は4分の1程度まで下落しています。Dashは中国大手取引所に上場した際に価格が一気に上昇したということがありますが、基本的には仮想通貨の市場の流れ、特にビットコインの値動きに即した形でチャートが動いていますので、今後の値動きに関してはDashそのものの要因だけではなく仮想通貨全体の値動きをよくチェックしていく必要があるでしょう。

Dashの今後を左右するポイントとしては、実際の決済にDashが使用されていくかどうかにかかっているといっても過言ではありません。DASH Evolutionというソフトウェアによって毎月定額会費を自動で支払うといったことや、支払い用の口座と貯蓄用の口座を分けるなど銀行のようなことを銀行を介さずに行う事が出来るようになります。仮想通貨は元々銀行など既存の金融機関を信用しないことがきっかけで普及したものなので、ある意味原点回帰をDashが行えるかどうかがポイントになるでしょう。仮想通貨ATMにおいては取り引きの対象になっているので、Dashを使える自動販売機がさらに普及するなどすれば決済プラットフォームとしての地位を確立することが出来るかもしれません。

Dashはクリーン故に脆さもある

Dashは自己資金で運営を行えているクリーンな運営が魅力とも言えますが、その分Dashの価格が下がったりしてしまうとすぐに資金難に陥ってしまう可能性があるということでもあり脆さも兼ね備えています。Dashの優れた決済システムは数ある仮想通貨の中でもトップクラスになっているので、いかにユーザーを増やしていくことが出来るのかどうかに注目です。

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