デジタル通貨

ICOに代わる資金調達方法!IEO(Initial Exchange Offering)を初心者にもわかりやすく紹介

仮想通貨の世界は毎年目まぐるしい変化を遂げています。2016年には、仮想通貨を使った資金調達方法であるICOが注目されるようになりましたが、規制の強化などで僅か数年で取引が低調になりました。しかし、2019年に入って今度はIEOという、仮想通貨を使った資金調達の手段が利用されるようになりました。今回は、IEOとはいったい何か、そのメリット等を紹介していきます。

IEOとはいったい何?ICOとの違いを交えながらその仕組みを紹介

仮想通貨の初心者は、ICOやIEOとか言われてもピンとこないと思います。IEOはICOが発展して生まれたようなものなので、まずはICOの仕組みを紹介していきます。

企業がトークンを発行して資金調達するICO

ICOとはInitial Coin Offeringの略称で、トークンという「仮想通貨の世界における株券のようなもの」を使って資金調達が行われます。
元来の株式の発行による資金調達は、証券取引所に上場してからでないと行えません。しかしICOは、ブロックチェーンを利用して生み出すトークンを売って資金調達をするので、どんな企業や団体でも発行することが可能です。仮想通貨にも取引所はありますが、トークンがそこに上場していなくても販売することができます。だから、プロジェクトのための資金調達でICOを利用すれば、企業はプロジェクトのアピールをして出資者を募り、トークンを販売するだけで資金を得ることができるのです。

トークンは取引所で扱われるようになれば、株券のように値がつき、価格が上下します。最初の販売価格よりも高い値段になれば、出資者にも利益が出るというわけです。
このように企業にとって資金調達が容易なICOですが、利用者が爆発的に増えた結果、トークンを販売して資金を得ただけで逃げる「スキャム」という行為を働く者も現れるようになりました。スキャムの登場と、世界の主要な国々も規制を入れたことでICOは下火になっていったのです。

仮想通貨取引所がトークンを販売するIEO

そこで2019年に入ってICOの代わりになったのがIEOです。IEOはInitial Exchange Offeringの略称で、仮想通貨の取引所が、企業から買い取ったトークンを先行販売する仕組みを指します。ICOでは企業と出資者の間で直接トークンの売買が行われていましたが、IEOではその間に取引所が入ってトークン売買の仲介を行っているのです。
IEOは2017年12月にBinanceが始めたサービスでしたが、当時はICOもまだ勢いがあり、思うように顧客が集まらなかったため凍結されることとなりました。しかし、ICOが衰退したことで、同社は再びIEOを復活させました。再開早々、BitTorrentというP2Pネットワークのトークンを販売したところ、約18分で7億7000万円相当のトークンが完売したのです。こうしてIEOは、ICOに代わる資金調達として注目されるようになりました。

IEOはBinanceやHuobi、KuCoinなどの取引所が行っており、投資家がIEOに参加するにはそれらの取引所に登録しておく必要があります。
ICOは、投資家が購入したトークンが取引所に上場されない場合もありました。しかし、IEOでは取引所が買い付けたトークンを販売するので上場が決定しています。そのため、投資家も安心してトークンを購入することができるのです。

IEOのメリットや今後の課題

IEOの基本情報を説明してきましたが、次にどのようなメリットがあるのか、それと今後の課題についても紹介していきます。

IEOのメリット

IEOのメリットは、出資者と企業の双方にメリットがあります。
出資者にとってのメリットは、少ない手間で信頼性の高いトークンを購入できるという点です。ICOではトークンを購入するときは、投資家が企業やそのプロジェクトを精査する必要がありました。投資家はリサーチに労力を割く必要があったのです。IEOでは、大手取引所が代わりにそれらのリサーチをしてくれるので、投資家は手間をかけることなく信頼性の高いトークンを購入できます。
また、IEOの参加者は一般取引される前のトークンを、公開価格よりも安い値段で購入することができるのもメリットの一つです。

同時に、企業などのトークンを販売する側にとっては、売り込み先が取引所になります。マーケティングを駆使して投資家を集める必要性がなく、魅力的なプロジェクトをプレゼンして取引所を納得させられれば資金調達ができるので、企業にとってはトークンセールスのコストを抑えられるというメリットが出てきます。

IEOの今後の課題

ICOの大半のトークンは、イーサリアムのERC-20という規格のネットテスト・トークンです。このトークンは追跡が容易で、どのような取引に使われているか出資者が確認することが可能です。しかし、IEOでは取引所が出資者に教える情報はセールスの結果のみというのがほとんどで、透明性が低くなっています。
また、IEOに参加している投資家は、事前に公開価格よりも安くトークンを購入できますが、これはトークンが上場とともに即売りされることに繋がります。投資家はある程度の利益を得られますが、トークンの価格形成が不十分になるという側面もあります。
透明性と価格形成、この2つを高めることが今後のIEOの課題と言えます。

IEOは投資家が安心してトークンを購入できる仕組み

IEOでは、大手取引所が審査したトークンが扱われるとはいえ、投資家が自身がプロジェクトの内容をチェックして、将来的に評価されるものであるか確かめることが大切です。IEOはICOに代わって、今後のブロックチェーン技術を用いた資金調達方法として発展していくことが予想されます。仮想通貨の投資に興味がある人は、IEOに参加してのトークン購入を検討してみてはどうでしょうか。

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