暗号資産取引を始めたいと考えている人にとって気になるのは、「自分の大事なお金を投資するのだから損をしたくないけど、どうすればいいか。」ということではないでしょうか。そんな人は暗号資産を無料でもらえるAirDropから始めるといいでしょう。この記事では、AirDropの内容、暗号資産の配布パターン、受け取り前の準備について説明します。
AirDropの内容とICOとの違い
AirDrop(エアドロップ)とは、企業が発行する暗号資産やトークンを無料でもらえるイベントです。トークンとは暗号資産の一種で、企業が独自に発行する仮想通貨です。AirDropで配布された時点では市場に上場していないケースが大半です。企業が無料で暗号資産やトークンを配布する理由は二つあります。
一つ目は、広告費をあまりかけずに宣伝を行うためです。一般的に広告を行う場合は、新聞・テレビ・インターネットといったメディアを通して宣伝を行いますが、高額な費用が発生します。しかも、不特定多数向けの広告の場合、企業が実施するキャンペーンに参加してもらえるか定かではありません。しかし、キャンペーンに参加することによって暗号資産を配布する仕組みにすれば、ある程度の参加者が見込める上に、企業が提供するサービスを利用してもらえるきっかけになります。つまり、メディアを通して大々的に宣伝するよりも低額の広告費で効果が期待できる宣伝を行うことができるというわけです。
二つ目は、企業が独自で発行したトークンの保有者を増やしてトークンの認知度を上げるためです。トークンを配布する時点では、トークンの認知度が低く保有者もほとんどいない状況ですが、AirDropで配布することによって保有者を増やしておくことによって、将来的にトークンの市場への上場につなげることができます。
イベント参加者にとってAirDropのメリットは二つあります。
一つ目は、上場している暗号資産が配布された場合に市場で売却益を得ることができ、未上場の暗号資産やトークンが配布された場合でも、それが市場に上場すれば売却益を得ることができることです。暗号資産は市場で取引されるため、値上がりも値下がりもします。自分でお金を出して暗号資産を購入した場合は、購入時点の価格より値下がりすると精神的にダメージを受けますが、AirDropは無料で配布されていますので、市況に関係なく確実に売却益を得られるのです。現在上場しているNEM、Stellar、Byteballといった暗号資産もかつてはAirDropにより無料で配布されていたことがあります。
二つ目は、暗号資産やトークンを使って企業が提供するサービスを試せる場合があることです。どのようなサービスが試せるのかは、各企業のホームページで確認しておきましょう。次に、AirDropとICOの違いについて説明します。ICOとは、Initial Coin Offeringの略で、企業がプロジェクトを実施するためにトークンを独自に発行して出資者から資金調達を行う仕組みです。出資者は有償で配布されたトークンの市場への上場を待ち、購入した時点の価格より上場後の価格のほうが高くなった時点で売却することにより売却益を得ることができます。企業からトークンを受け取ることができるという点ではAirDropもICOも同じですが、AirDropは無料で、ICOは出資の対価として受け取る点が両者の違いです。
AirDropの配布パターンと受け取り方
AirDropの配布パターンは四つあります。一つ目は、AirDropのイベントに登録することによって、すぐに暗号資産が配布されるパターンです。例えば、企業が提供するサービスに無料でユーザ登録を行うと、すぐに配布されます。二つ目は、AirDropのイベントに登録しておき、会社のプロジェクトが完了した後に暗号資産が配布されるパターンです。ICOと併用される場合があります。配布までに時間がかかりますので、定期的にホームページを確認しておき、配布されているかどうかを確認しておく必要があります。
三つめは、イベントへの登録が完了した後にイベントを第三者に紹介し、第三者がイベントに登録することにより配布されるパターンです。イベントによって指定される紹介方法は異なりますが、例えばツイッターやテレグラムでイベントを紹介し、それを見た人がイベントに登録することによって配布されます。四つ目は、イベントに登録した後に、指定されたアクションを実施することにより配布されるパターンです。例えば、企業のツイッターをフォローしたり、口座を開設したりすることによって配布されます。
配布される暗号資産を受け取るために準備しておく必要があるものは以下の四つです。一つ目は、メールアドレスです。登録すると頻繁にメールが届くことがありますので、普段利用するメールアドレス以外のメールアドレスを用意しておきましょう。二つ目は、イーサリアムウォレットです。大半のAirDropのイベントでは、イーサリアムウォレットに対して暗号資産が発行されます。企業から配布先のイーサリアムウォレットを聞かれますので、用意しておく必要があります。マイイーサウォレットのホームページにアクセスすれば作ることができます。三つめはツイッターのアカウントです。四つ目はテレグラムのアカウントです。ツイッターとテレグラムは、条件付きの暗号資産配布パターンの中で、企業から指定されることが多いSNSだからです。
開催中のイベントを探してみよう
暗号資産を受け取る準備ができたら、開催中のイベントを探すことになります。2019年2月には、口座開設を完了させるとビットコインをプレゼントする「GMOコイン」主催のキャンペーンや、クイズに答えると暗号資産をもらえる「コイン相場」主催のキャンペーンなどが開催されていました。自分でこのようなキャンペーンを探すのもAirDropの楽しみ方の一つですので、登録してみたくなるイベントを探してみましょう。