JT(日本たばこ産業株式会社)の株式を少し保有しています。買付の理由はシンプルで、JTは利益率の高いたばこ事業に関して独占的な地位にあって、高配当の銘柄なので、数か月前に購入してみました。
JTの前身は専売公社の一部門で、日本唯一(原料をすべて買い取る義務を課せられる代わりに、製造の独占権を持つ)のたばこ製造メーカーであり、3分の2を民営化された特殊会社(残り3分の1は政府が持ち続けなければならない、と法律で定められているので)です。
グローバル展開にも積極的で、アメリカやイギリスなどの海外企業を買収して拡大を続けていて、現在のところ世界シェア第3位とかなりの規模のメーカーです。売上の8割以上は国内外のたばこ事業によるもので、国内よりも海外での売り上げのほうが大きく、過去には多角化経営の一環として、飲料(こちらは2015年まで)やハンバーガー系のファストフード(5年で撤退)などを展開したものの上手く行かなかったようで、現在は、医療品と食品分野が本業を補完する位置づけとして残っているようです。
医療事業の展開を調べたところ、JTは1987年から医療に参入しており、他社とも提携して(買収して)オリジナル新薬の開発を目指してきたようです。新薬開発は苦難続きの道で、途中で開発を断念したものもあったり、参入から二十数年は毎年赤字だったようで、2012年あたりから開発中の抗ウィルス剤や降圧剤などの新薬が次々承認されて、実に三十年近く経ってようやく軌道に乗り始めました。
食品事業については、冷凍食品・常温食品、調味料やスープなど様々な加工食品を扱っているようです。規模としては売上構成の7%くらいです。
配当が5~6%であれば保有し続ける
株価については、過去5年間の推移をみると、徐々に下げているようです。たばこ税も上がり販売価格も上がって、ここ数年でたばこの販売量自体が落ちているのがやや心配ではあります。ですが、たばこに関して独占的な地位にいるのは変わりありませんし、利益率4割近くの高収益事業を続けているには変わりがないため、この先も5~6%台の配当の利率があまり変わらないことを期待してはいます。
別に世界的な健康ブームに乗っているわけではないのですが、自分もたばこは吸わないため、正確には分からないのですが、たぶん愛煙家の方は景気の動向がどうであれ、たばこを必要とはするでしょうし、それゆえに一気に落ちる、ということはなさそうな…。
(4月~7月の推移)
長期投資目的なので、一度買い付けてからはあまり頻繁に見ることはないのですが、2,600円周辺で買ってから既に200円ほど下げていました。2016年の天井で買ったわけではないですし、暫くは見守りたいと思います。
近年は、ニオイや害を低減する新しいスタイルのたばこ開発にも力を入れるとあり、プルームという自社ブランドの加熱式たばこデバイスを出しているようですので、この分野でも頑張ってもらいたいですね。
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