いま多くの企業が、余力のあるうちに将来に備えて筋肉質な組織づくりを進めているようです。45歳定年導入により、年功序列が是正されて、若い人たちにもチャンスが来ますが、 彼らにもいつかは「早い定年」は来てしまうので、20年前後という短い現役期間にしっかりと収入源を増やしておく必要がありそうです。
「実力主義」の定着を喜んでいる人は多くはなさそう
最近になり細かい統計が出たようで、ねとらぼの「2019年の「黒字リストラ」対象者が前年度の3倍に。「明日は我が身」「そんな企業で頑張って働けない」と批判的な声多数」(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200117-10000228-it_nlab-soci)によると、2019年に早期退職希望者を募った企業の6割弱は黒字であったことから、不況時ではなく少しでも余力のあるうちに若返りとスリム化を進めて将来に備える流れが確実に定着しつつあるようです。
これには政府が検討を進めている65歳以上の高齢者雇用の義務化への対策という意味合いもありそうで、古い社員が切られれば、若い人たちにとっては活躍の機会となるので喜んでいるかと思えばその逆で、記事によると明日は我が身と感じた人も多いらしく、六割以 上の人はネガティブな反応を示したとあります。
実力主義がちゃんと徹底されるかもと期待している人は三割程度のようですが、考えたらこれも当たり前の結果なのかもしれません。若ければ誰でもいい働きをする、ならば最初から年功序列なんて無かったはずです。ほとんどの人は「普通」で、職場でこなせる仕事量は、いま危機に立たされているおじさんたちと同じくらいのはずですから心配になるのも当然です。当たっても嬉しくはないでしょうが「20年後に同じ目に遭う」予測は的中しそうです。
この流れは企業による労働者使い捨てのスピード加速とも取れるわけで、これでは「景気はよくならない」など怒りの反応も多くあったようで、それも長期的に見れば間違いでは無さそうですが、企業側が置かれている状況も確かに厳しいため、この流れ自体はどう文句をいっても止められそうにありません。
自分の資産を増やすのが良い
コメントの中には「誰がそんなところで頑張って働くのか」といった声も寄せられていたようですが、全くその通りで、自分の将来を保証してくれるわけでもないのに一生懸命尽くす必要はありません。しかも自分のものではないはずなので、身を削るまでの価値はありません。
この先は、給料分だけを働きつつ、家賃や配当などの稼ぎを生んでくれる自分の資産を少しずつ「働く」以外の収入をしっかりと増やしつつ、面倒なことに巻き込まれそうになったり必要なくなったらいつでも自分のほうから職場を離れられるように準備しておいたほうが良さそうです。