なかなか実感できないと言われる景気の回復がしばらく続き、このところ少し陰りも見え始めていますが、それでもまだ今の労働市場は学生さんたちに有利なようです。ただ、一昔前の就職氷河期より働き口を見つけやすいとは言っても、本当に自分が望む仕事に就ける人の割合は約3割程度と、実は昔とあまり変わらないらしいので、いい仕事に就くことは相変わらず難しいようです。
昨年のデータ販売も少し影響していたかも
現代ビジネスの「就活に大異変?学生が「超受け身」に変化した深い理由」(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/69521)によると、特に今回の就職説明会等では人が全然集まらず、事前にそこそこ参加申し込みがあったとしても当日の実際の参加率が予約の3割くらいの時も有ったりと、採用にかなり苦労しているようです。
企業が学生さんをなかなか集められない主な要因としてリクナビやマイナビなどの大手サイトを通して企業説明会参加を申し込む学生が激減したことが挙げられていますが、これには昨年夏の学生さんの内定辞退率のデータ販売事件がかなり影響しているようで、昨年ここでも、勝手に利用者の情報を売買したら彼らは信用されなくなるかもと見ていましたが、それが現実のものとなってしまったようです。
その動きに応じて、企業の側も自社のサイトを立ち上げて集客を始めているようですが、サイト運営をやるとよく分かりますが、多くの人に閲覧してもらったり検索で少しでも上位を取るには時間が掛かります。検索すらしてもらえないのであればいくら良いコンテンツを作ってもどうにもならないのもその通りで、去年から始めたのであれば効果が出るのは早くても半年先位になるので、実質次の年の学生さん向けみたいな感じになりそうです。
記事にはもうひとつの要因として、彼らの親世代がユルい(バブル世代のため)からとありますが、今の学生さんたちだって、労働人口の3割以上は非正規雇用で結構苦しい部分があることくらいは良く知っているはずなので、親世代の時のように適当に待っていればそこそこいい仕事に就けるなんてあまり本気では信じないと思うのですが…。コメント欄でもこの線は外れていそうと出ていました。
働き口がたくさんあるからと言って油断はできず
もうひとつコメントには、学生が集められなくなったのは若い人たちが経済的成功に魅力を感じなくなったから、とありますが、これもおそらくその通りで、お金を得ても幸せになれない例はあるのである程度理解はできます。
ですが、いくら今の市場が人手不足とはいっても、結局取る方もそれなりのレベルの人材を選ぶので、学生さんたちもあまり油断はできません。冒頭でも触れましたが、記事によると自分が本当に望む仕事に就ける割合自体は実は昔とあまり変わらず3割程度しかないとあるので、普通に食べていくことは可能でも、いい仕事に就いてそれなりに幸せに生きられる確率自体は前と同じなので、筆者が勧めるとおり自分からアクティブに取りに行く姿勢のほうが有利になりそうです。
労働市場は少しづつではあるものの変化はしているので、学生さんを集められないということであれば、一部の企業はもしかしたら別に新卒じゃなくてもいい、という方向に切り替える可能性もあります。現に外資系企業の多くは別に新卒の学生にはあまり興味はないし、その時ある程度使えればいいということで、中途採用でずっとつなぎ続けるところもあります。
待ちの姿勢だといろいろ逃すことも有るので、雇われて働く必要がありできれば望む仕事に就きたいのであれば、アクティブに動くことをおすすめします。