先日creator.kも働き方改革の現状について触れましたが、おそらくはその流れに沿って勤務時間が抑えられて残業代が稼げず給与の総額が減ってしまったのか、ここ数年、公務員でも風俗店でバイトをしたことが発覚するという事例がいくつか報道されています。公務員の信用を傷つけたと言えるかというと微妙なところもあり、仕事をサボって副業をしていたわけではないので、事情も知らずにけしからんとか言うつもりはありません。なぜそうなってしまったのか、その背景を理解してあげたいと思っています。
兵庫県警の20代の女性警察官
10月18日の神戸新聞(「女性警官、休みは風俗勤務 過去にはトイレに拳銃忘れ」(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191018-00000015-kobenext-soci))によると、兵庫県警鉄道警察隊に所属する女性巡査長が、今年の5~9月に大阪のデリヘルなどで勤務時間外に副業をして遊興費を稼いでいたことが発覚したようです。9月末にはJR駅内のトイレ個室に拳銃や手錠を置きさすれるなどして懲戒処分を受けて、すでに依願退職しているようです。
遊ぶ金欲しさにこんなことをと批判は出ていそうですが、でも若い女性であれば仕事が終われば普通に外に出たいでしょうし、遊べる分のお金にも困っていたのであればかわいそうな気もします。
山口県警下関署の女性巡査
他にも似たような事例がないか探してみたところ、2月1日の日刊スポーツによると、昨年12月には山口県警下関署の女性巡査が、福岡県内のデリヘルに勤務して約8万円の報酬を得ていたことが発覚し、懲戒処分を受けていたようです。一般的に言うと社会の模範となるべき警察官としてあるまじき行為とはいえ、「生活費の足しにしたかった…」と言われると、ある種の切なさを感じます。
副業禁止の規定
先程の兵庫県警の巡査長とこの下関署の巡査も、いずれも勤務時間外での小遣い稼ぎだったようですが、地方公務員法38条には兼業禁止(許可を得ずに営利目的で副業してはダメ)の規定があるため、二人とも懲戒処分を受けていますが、記事にもあるとおり、今までも例えば役所の職員や教員などの風俗店勤務発覚の報道はありましたが、警察官で処分された例はたしかに珍しい気がします。
今回の二人はいずれもデリヘルで稼いだ金額や費やした時間もそれほど多くなく、以前は残業代として支給されていた額くらいなのかなと思ったりします。働き方改革が始まり、なるべく早く帰宅するように言われ始めて残業代が稼げなくなると、公務員の人の場合は基本給だけでの生活はキツいのかもしれません。
働き方改革自体は、働かせ過ぎを是正したり生産性向上を目指すために掲げられた理念ですが、現状ではただ時間を抑える、が先行してしまっているようで、法が施行されてから出てきている悪い影響をどうするかについては議論が進んでいない印象です。
民間企業に勤める人とはちがって、公共のために働く人たちの副業禁止は仕方がないのかもしれませんが、いわゆるダラダラとやるタイプではない本当に時間が必要な時間外労働については残業を認めてあげないと、また、最初から普通に生活できるだけの給料を支給してあげないと、代わりにこういった風俗店勤務などの公務員としてはあまり宜しくないといわれる方法で限られた時間で効率的にお金を稼ごうと考えてしまうのは仕方がない部分もあります。