昨年のものではありますが、先日また「超売り手市場なのに「事務職志望の女子学生」があぶれる理由(https://newspicks.com/news/3436249/)」という記事を見ました。昨年度卒業予定の女子の就職内定率は、一昨年よりも3%弱も下がっているという結果が出ていたようですが、その背景には一般職志望の女子の就職が決まりにくかったことが影響しているそうです。労働市場を見ると、いまの学生さんたちにとって就職先はたくさんあるはずなのですが、この結果にはバリバリ働くことに対してかなりネガティブなイメージがあるからのようです。
雇う側の環境変化
先日も主に銀行などの大手企業が、事務職を徐々にAIに置き換えて人員削減を図ると発表しましたが、これによって一般職は減ってしまうものの、労働市場全体で見れば、普通に長く働くことを要求される総合職の仕事の求人は増えています。
ところが学生側の多く(女子の約半数)はいまでも事務系の一般職を希望しているようで、バリバリ働いて責任あるポジションをこなしたりといったことは望んでは無いようです。
主な理由としては、働くのはそこそこに留め、休日は友人らとしっかり遊ぶ時間を取ったりプライベートな時間を重視したい、といった理由からのようです。
企業側も学生や働き手たちからの「自分たちにも平等にもっと活躍の場を!」という声を受けて、それに応えて、随分時間は掛かりましたが機会自体は多く提供されるようになった印象は受けます。
企業側は常に競争力強化・効率化を求められている以上、事務系の仕事が徐々に消えていき、いわゆる普通に男並みの働きが求められるポジションの募集だけが増えていく流れ自体は止まらないと思われますが、学生たちはまだこの流れに追いついけていないように見えます。
現実は厳しい
既に労働市場に出て第一線で働く人たちからのコメントを見ますと、「彼女たちの活躍の場の整備は雇う側の義務」とある一方で、今の学生たちに向けて「技術の進歩でどういった職種が消えつつあるのか、大学からしっかり伝えてあげるべき」「そこそこでいいは現実的に無理」「ワークライフバランスは不可能」(⇒言い切ってしまうと、厳し過ぎる気もしますが…)「古き良き時代の終焉」といった厳しい現実があること認識するべきだという声がほとんどを占めています。
ある程度理想を捨てて、覚悟を決めないと就職は難しいのかも
彼女たちが上の世代を見て、「女性が働きながら家庭を持つことは難しそう」「疲弊しそう」「とにかく大変で辛そう」と思うのは無理もありません。上の世代の人たちの多くがそうだったのは事実ではあります。ですが、現在は男女ともに社会で活躍できる場が増えて、それを支える制度も整いつつあるので、得た権利には責任と義務が伴う、ものではあるので、今から「それは要らないから、守られながらそこそこやる」に戻るのは難しい状況にあります。
組織に雇われて働いて生きていくためには、ある程度は組織が求めている「バリバリ」という部分を受け入れる覚悟しないとならないかもしれません。
どうしても「そこそこがいい」場合は、これもまた簡単なことではなくじっくりと練る必要はありますが、いったんは暫く雇われてみて、その間に自分で切り開いて稼いで生きる道を探ると良いかもしれません。