今回は投資の話題ではありません。ちょうど三年くらい前に、老後に夫婦で余裕を持って生活するためには毎月37万円必要だとかいう記事をよく目にしましたが、さすがに現実離れしすぎていたのか、最近の記事ではこういった論調は薄れていて、「年金だけでは足りない」ながらも、もうすこし現実に近そうな数値が出ています。
毎月26~27万円は現実的な額?
幾つかの記事を見ると、老後の毎月の支出は26~27万円くらいで、65歳の平均的モデルの夫婦世帯では毎月21~22万円くらいの年金を受給、とありますが、これが最近になって流行り始めた「老後資金の不足部分は2,000万円!」の根拠となっているようです。
支出の内訳をざっと見たところ、それほど現実離れしているような印象はありませんでした。「平均」なので、中央値はもっと低いのかもしれませんが、毎月21万円くらいの年金を受給というのもよく聞くとおりの額です。すると毎月の不足分は5~6万円くらいになりますが、定年後もパートに出ている方たちを見ていると、金額的にはつじつまが合うので、なるほどと思えます。
以前はよくFPから「毎月35~37万円近く必要」と出ていた
3年前の記事を読むと、ゆとりある老後の生活には毎月37万円の生活費の用意が必要とか出てきますが、その一方で、「最低限」の生活を送るためには平均的な毎月の年金額が受給できれば十分に可能と、彼ら自身の試算で認めています。
毎月37万円の生活費、というと現役世代でもこれだけの額を働いて稼ぐのはかなり大変です。夫婦二人で働いてこの金額を稼ぎ、子供を数人育てるというご家庭も多いのではないでしょうか。
確認のため同じように投資で生計を立てている両親にも聞いてみると、医療費などを入れても前述のいわゆる普通程度の支出額にしか届かないようです。もしかしたら70代に入れば、さらに掛かってくるのかもしれませんが、それらを足しても「ゆとりある」支出額にはならないはずとのことです。
一体どういう贅沢をすればこうなるのか「ゆとりある」プランにある余計な支出の内訳をみてみると「旅行や娯楽や趣味、モノをいいものに買い替える」等と入っているため、何も考えずにお金を使えばこうなる的な支出予測に見えます。
今はもうあまり聞かれなくなったので、当時は若干無理矢理「だからこういったものに投資しましょう」と手数料が高く取れるものに誘導したかったのかなとか思ったりもします。
少し不足分が出るのはウソではなさそうなので、どう備えるか
老後に毎月37万円掛かるのはウソに近いとわかりましたが(贅沢しようと思ったらもっといくらでもかかりますし)、それにしても年金受給額だけでは老後の生活費をカバーしきれないかもしれないのは環境や暮らし方次第では本当にそうなりそうなので、不足分があれば働くか投資の上りでカバーするなどの備えは必要になります。
しかしながら、70代の夫婦の方の例(https://allabout.co.jp/gm/gc/472303/)をみてみると、年金受給額(+少し?)で暮らせる人もいるので、時間・お金・無料で使える施設やレジャー、をどう上手く使うか次第なのでしょう。「毎月37万円」も「2,000万円足りない」のどちらも煽り過ぎの部分があるようです。