街頭インタビューでこの春新たに社会に出た人たちがどこかで働き始めるにあたっての抱負を語っていましたが、年収1,000万円以上を目指したいとか聞くと勇ましいと思いつつも、「働く」の世界は先細っているので、 頑張り過ぎて疲弊して最後に失望しないか心配になるときがあります。
資本主義社会の中にいる以上はただ普通に「働く」だけではなかなか幸せにはなれにくいことには早くから気づくほうが有利です。それもただ知っただけでは意味が無いので、せっかく気付けたのであれば、ちがう道へ進む準備も早くから進めるほうが人生を豊かなものにできる可能性も上がります。
勤めだけではなかなか幸せになれない
人生100年時代とかいうものが掲げられたり、70歳定年法といった法律が施行されたことから、人生最後までキツいものになるかも…とそれとなく感づいている人も多いようなのですが、そんな中最近よくFIREという言葉をネット界隈で見かけるようになりました。
以前から人知れず流行っていたことなので実はそんなに新しことでもないのですが、FIRE( Financial Independence, Retire Early )とはダイヤモンド・オンラインの「早期リタイア「FIRE」派も働き続ける人も、マネー戦略の3分の2は同じでいい理由」などによると、 労働からの収入に依存しなくても生きていける状態になり定年前に引退することを指す言葉とあります。
経済のパイがなかなか大きくならず働き手に分配されるお金もほとんど増えない中、いくら勤め仕事を頑張ってもあまり給料は増えません。ずっと雇い続けてくれる保証でもあれば、キツいながらも何とかそれで生きていけそうですが、今ではそれさえも消えつつあります。早ければ30代後半で、40代・50代にもなれば「もう要らない」と放り出されるのも普通で、その後の収入は大きく落ちるので、生きていくのは大変です。頑張って自分を鍛え続けても、歳を取って捨てられる可能性自体はなかなか下げることが出来ません。
であれば、安定的な収入を得続けてお金の心配をせずに生きていくには、不安定な労働というもの以外で収入を得られるようにしていく必要があるということになります。
FIREの実現は技術的には難しいことはありません。やる気になること自体は難しいかもしれないけど、プロセス自体は誰でもできることです。具体的にはこれにもあるとおり、まずは支出をコントロールし、悪い借金をしない=お金を生まないものを借金してまで買わないということ、毎月必ず先取りで一定額を貯金することなどです。
そして毎月貯めたものがある程度の額になったところで、お金を生んでくれるものに持ち替えて、その後も毎月の貯金を続けつつ、お金を生んでくれるものから上がってくる新たな収益を合わせることで、さらにお金を生んでくれるものを増やせばよいだけです。
でも先程の記事中にもあるとおり、たしかに一番難しいのは「固定費を上げない」という部分かも知れませんね。給料というのは「安定した収入源」とよく勘違いされがちで、もらえる額が上がった時にはついそれを頼りに支出も増やしてしまいがちです。食べるものにしても、着るものにしても、住むところにしても、子どもの教育にしても、「あなたには○○がふさわしい」といった言葉に躍らされてパーキンソンの法則どおりにお金が飛ぶので、稼いでも稼いでも楽にはなりません。そしてある日突然クビを宣告されたらすべてが崩れ去り、お金を生んでくれるものを持っていないので、重い借金だけが残ります。
いくら稼いでも「収入-支出」の差額が増えなければいつまで経っても余裕が持てません。 「収入-支出」 の差額がある程度大きければ、給料は多くなくてもFIREの実現は可能なので、実現するまでの過程においても「働く」は頑張り過ぎなくても大丈夫です。
「働く」を頑張り過ぎると健康を害するリスクもあります。それだけではありません。勤め仕事には、いくら頑張って積み上げてもじぶんのものにはならない=それ自体を再利用して半ば自動的にお金を稼ぐといったことができない、という難点というか大きな弱点があります。そいくら頑張っても、すぐには上がるものでもないですし、上げてもらえないこともあり、自身が物理的に働き続けない限りは収入はゼロです。
他人のもののために頑張り過ぎず、自分のものを増やしていこう
ではお金を生んでくれるものと言っても何を持てばよいかというと、これについては正解はありません。自分に合っているものを増やしていけばよいでしょう。
稼ぐ力などを考慮すると、順番からすると最初にまず利回りが高い不動産を持って給料以外の収入の額自体をじっくりと増やしていき、その後にある程度流動性を位確保するために現金に近い株式などを買い入れていくといいかもしれません。この順序が逆になってしまうと稼ぐ力が下がり、資産を増やすスピードが落ちてしまいます。これらは普段はそれほど手が掛からないので、一旦買い付けが終わり軌道に乗ったら空いた時間を使ってさらに利回りの高いwebメディアなどを持って運営するのもアリかも知れません。
自分だけの収入源を積みあげて、経済的自由を手にすると、精神的にも余裕をもって生きられます。誰かの言うことを聞かなくても生きられるので、何をするかや誰と付き合うかも自分が選び決めることが出来ます。
労働一本で生きると、そんな自由は手に入れることが出来ません。一度しかない人生を少しでも豊かで楽しいものにしていくためにも、外からの影響を受けにくい半自動の自分独自の収入源を増やしていきましょう。