老後が心配という人は多いのですが、そうなる原因は、お勉強する・働く・貯めるだけしか知らないままで居るところにありそうです。少し前とちがって今は「いっぱいお勉強しました」はそれほど高く評価はされず、労働も高く買ってもらえなくなってきているし、「ただ持っているだけ」ではお金を稼げないので、それら以外のこともしないと、一生お金に苦労し続けることになります。
お金のために働き続けるのはキツい
幻冬舎ゴールドオンラインの「「祝!定年」でも仕事は辞められず…貧困にあえぐ高齢者の実態」によると、世帯主が60歳以上の世帯だけの平均貯蓄額を見ると約1,500万円あるらしく、「老後2,000万円」にはまだ届かないもののそこそこ近い額を用意できているため、すでに引退したい人たも実際は7割以上の人たちが経済的な心配はないと調査などで答えていることから、世間でウワサされているほど悲惨な暮らしをしているわけではないようです。
しかも所得分布を見ると最も多いのは年間150~200万円の人たちで(とはいえ開12%とのことですが…)、年金収入などが唯一の収入源という人たちが半数以上もいることから、厚労省が行った調査結果が正しければ、大きな蓄えを持っていなくてもそこそこ「経済的な心配はない」暮らしができるということにはなります。年金機構のパンフレットなどにも年金受給者の51%以上は、年金だけで生活しているとあったとおりではあります。
しかしです…。
「半数以上が年金だけで生活できている」ということは、もう約半分の人は何か他の収入を得ないと生活が出来ない状態にあるということにもなりますが、色々な統計を見ると、不動産や株式からの収入がある人は3~5%くらいしか居ません。
そうした収入源を持っていないとなると、代わりに貯蓄を取り崩すしかないわけですが、お金は使えば消えて無くなります。ですからどんなにお金を持っている人でもそれが少しでも減れば、減る・無くなることに恐怖を感じます。
それによく使われる平均貯蓄額はあくまで「平均」の額で、高齢者層はお金のストックが大きいように見えて、持っている人と持たない人の格差が特に大きいので、実はほとんど何も持っていないという人も多いようです。
そうなると年金だけでは生活できない人の多くは、引退後も働き続けることで何とかするしかありません。内閣府の資料(平成29年)によると65~69歳の就業率は約53%で、先程の記事にも彼らが働く理由は、経済事情から働くしかないためというのが50%以上と、選んで働いているわけではないようです。
消費動向の統計を分析すると本当はそこまで掛からないと言われてはいますが、仮にもし一昨年6月に金融庁に提出された「老後2,000万円問題」報告書にある引退後の生活費の試算が正しかったとすると、月約5万円分くらいはアルバイトをするなどして稼がないとなりませんが、それができるのも見たところ70代前半くらいまでではないでしょうか。
どんなに元気に見えても実際働いている人たちに聞くと、60歳を過ぎた時点ですでに働き続けるのはかなり身体にキツいと言います。
お金を稼いでくれるものを持つと
お金の入りが少ないなら少ないなりに工夫をして何とか生きてはいけるようで、よく言われているほど生活費も掛からずに済むケースもあるのかもしれません。でもいずれにしても年金だけではギリギリか少し足りなくなるのは確からしく、何かをずっとガマンしながら生きるのは辛いはずですし、それがもし本当は必要なモノ/サービスであったのであれば身体にもよくありません。
頑張って現役時代を過ごしその先も辛い…なんてことにならないためにも、できれば少し早いうちから労働以外の収入源を確保しておきたいところです。
月4~5万円程度でよいのであれば、身体に鞭打って働く代わりに中古の戸建てなどの不動産であれば二つくらい持っていれば十分にそれだけの家賃を稼げます。一つ一つは安価で、長く使える状態も良いものはあります。なるべく現金に近いもので持っておきたいということであれば、代わりに例えば年利換算で4~5%の高配当が付く銘柄の株式を1,000万円分ほど買い付けておけば、毎月平均でそれくらい稼げます。一気に買い付けるのはキツいでしょうから、引退までの10~15年くらいを掛けてゆっくり買い続けると無理なく準備できます。どちらを買って備えるにしても、2,000万円も必要ありません。
生身の自分の代わりにお金を稼ぎ続けてくれるものを持っておけば、持っているお金の塊が小さくても、もし働けなくなったとしても、お金が減る・無くなるをあまり心配せずに生きられます。