障害やひきこもりで就労が難しく、
生きづらさを抱える人たちへの官民の枠を超えた就農支援
「農福連携」
の取り組みが高知県安芸市で進んでいる。
今年開催された厚生労働省のひきこもり支援に関する横断会議にも、
先進的な取り組みが紹介された。
農業が盛んで、ナスは県でトップの収穫量を誇る安芸市。
人口は約1万7千人と減少傾向で、高齢化率は41%と高い。
安芸福祉保健所の公文一也さん(46)の働き掛けで
農家に就労した男性の”成功例”をきっかけに、周囲の農家から
「人手不足だから紹介して」
と要望が相次ぐようになった。
2017年からは市や社会福祉高議会、農協、病院などが手を組み、
連携事業が始まった。
情報を共有し、相談者一人一人にあった支援策を検討する。
林業や水産業、酪農と就労先の幅も広がり
今では33の受け入れ先で95人が就労している。
昨年4月には就労支援事業所
「THAMあき」
を開所。発達障害やうつで一般就労が難しい約40人が、
ナスやオクラの収穫と袋詰め作業を行っている。
給料は出来高制で、仕事量も時間も利用者の自由だ。
週5~6日で働き、一般就労に移行できる人も出てきた。
今後は支援の輪を他地域にも広げる方向だ。
農業は数多くの魅力があります。
自分の手で一から農作物を育てられることで、
大きな誇りを感じることができます。
自慢の農作物を市場に出して、
高い評価を受けたり人気を集めたりすることで大きな喜びを得られます。
食品加工や流通販売に力を入れる第6次産業の農家も増えつつあり、
工夫次第でさまざまなビジネスを展開できます。
就労に苦しむ障害者に、
新たな人生観を見つけるきっかけになると嬉しいですね。