地震や津波が起きた際に
「直ちに高台へ避難してください」
といった情報を、日本語だけでなく英語と中国語でも呼び掛ける装置
「WASL(ワスル)」
を、和歌山県海南市の電子機器メーカー
「アイレス電子工業」
が和歌山大と共同で開発し、商品化にこぎ着けた。
同社の担当者は
「正確な情報を3カ国で素早く届け、多くの人の命と安全を守りたい」
と語る。
準天頂衛星
「みちびき」
から届く災害情報を受信し
「直ちに海岸から離れてください」
「落ち着いて身を守ってください」
と3カ国語で促す仕組みだ。
警告音がなり、強い光を放って点滅する15㌢大のライトを備える。
ライトを除く本体は幅24㌢、奥行き9㌢、高さ16㌢、重さ1.5㌔とコンパクトで、
壁や柱、屋上などに設置できる。
宇宙技術に関する勉強会に出席した同社の役員・諏訪剛さん(57)が
「災害情報の天辰経路は複数あったほうがよい」
「訪日外国人にも分け隔てなく避難を誘導する必要がある」
と、2019年3月に装置の開発を構想した。
協力が得られた和歌山大教授らと研究を重ね、耐久性などの試験を繰り返した。
1台40万円(税別)ほどである。
諏訪さんは
「まずは県内の自治体に避難所などでの利用を求め、全国各地へ広げたい」
としている。
災害が起きたら、一瞬の判断で運命を大きく分けるでしょう。
1人も漏れなく救いたい。
そんな熱い想いが込められた商品だと感じます。
このような商品が、世界各地で利用されることを心から願います。