一家に働き手が二人居る状態が必ずしも×1の世帯よりも経済的に強固かというと、そうとは限りません。もちろん単純に一人多いことで多く稼げる可能性はありますが、今は以前とちがって「ずっと働き続けられる」環境ではなくなっているからです。
生涯働き続けられたら約2億円、というムリな前提条件
たびたび再掲載されるようなのですが、with onlineの「もし、27歳で専業主婦になったら…共働き夫婦との「生涯年収の差」はどれくらい?」によると、結婚後に一家の働き手の数が一人だけであることによる一生分の経済損失は大雑把に見て、約2億円になるとあるのですが、単純にそう聞いて心配になる必要はありません。
女性の平均年収をざっくりと約300万円くらいとして40年を掛けても1億円強。それにこれはあくまで平均値なので、本当の「普通」はもっと少なくなります。
そもそも「生涯」なんていう前提条件に無理があるからです。人間同士だけで勝負をしていればよかった時代なら、その計算式もある程度は成り立っていたのかもしれませんが、人間にしかこなせない分野は徐々に減ってきているので、誰もが高く買ってもらえる環境ではなくなってしまったし、あまりジェンダーに関係なく必要無くなったら現役途中でいつでも簡単に切られます。生涯で1億円、でさ到達は難しいかもしれません。
それに仮にもしこの生涯2億円というのが本当だったとしても、ほとんどの場合はパーキンソンの法則の通りに、稼ぎが入ってきた分だけそのまま出てしまう傾向があるので、一家の総収入がいくらであろうが結局手残りが増えないので、あまり意味が無いということになります。
ここでも以前何度か触れましたが、一家の働き手が一人しかい無い状態であっても、貯金できる額は「×2」の家庭と大差ないことが統計などでも示されています。
二人で稼げば片方に何かがあっても安心とか言われることがありますが、実際には二人の稼ぎを当てにした家計構造になっているので、どちらかが倒れたらお金が足りなくなるのは働き手が一人しかいない家庭と全く同じなので最終的には破綻してしまいます。
若いうちに×2の力を活かす
でもだからといって、働き手が二人いることに意味が無いなんてことはありません。将来起こりうる良いことにも悪いことにも共に備えるということが出来るなら、「しばらく二人で稼ぐ」ことがとても大きな力となってくれます。
共に働き始め、毎月の給料の一部を必ず先取りでよけておくものとします。いくらくらいが適正なのかは収入にもよりますが、変な贅沢をしなければここでいつも提唱する毎月3万円の倍は簡単なはずです。
倍の力があれば将来への備えをする速度も当然早くなるので、早ければ10年ちょっとあればかなり基盤を強化できます。つまりどちらかが完全に働けない状態になったとしても経済的には問題ないところまで到達できます。
一人なら最初に大きな一歩を踏み出すまでに少なくとも6年掛かりますが、二人居れば、わずか3年くらいで毎月避けて貯めておいたお金を、給料以外の何かの稼ぎを生んでくれるものに持ち替えることが出来ます。
その後も毎月先取りでの資金作りは続けて、新たに上がってくる収入も合わせることで、次は2年弱とさらに短い時間でさらに新たな収入源を買うことが出来ます。
その後も数年全く同じ手順を繰り返すことで、始めてから10年もする頃には、給料以外の副収入の総額は、夫婦どちらかの給料とほぼ同じか大部分に相当するくらいの金額を稼げるようになっているでしょう。
そこまで到達したら、新しい家族をふやすために仕事を離れることもできますし、変に生活レベルを引き上げたりしなければ、そのまま一人が在宅の状態でも、新たな収入源を増やし続けることが出来ます。
単に二人で働き続けるだけではこれは実現できません。×2の力を上手く使って、まだ雇い続けてもらえるうちに少しでも早く自分たちの代わり=安全・安心を作っていきましょう。