もしもの時や将来のための準備をするにあたっては、まずはある程度まとまった額のお金を貯めないといけません。でもお金は使えば消えて無くなるだけですから、本当の安心を得るためには、「お金を貯める」のあと一歩先へ行く必要があります。
貯める・使えるお金の塊を増やしておく、では心配が残る
LIMOの「まだ遅くない!? 40代・50代からでもできる老後資金対策」によると、老後の資金準備の方法の一つとしてiDeCoなどの制度を活用してファンドを買って資産を大きくするのが有効なのだそうです。特に40代以上の場合は老後まで残されたの時間が少ないため、単純にお金を貯めるだけでは間に合わないので、少しでもお金を増やすことを意識すべきなんだとか。
確かに1つの方法としてはありです。iDeCoを使う場合はこれにもあるとおりそれに掛けた分の金額が、所得から差し引けて税金が安くなるという有利な仕組みもあるし、堅いものを選べば少しづつでも資産価値が大きくなります。ただ、これで安心が得られるかどうかというと、まだ少し心配が残りそうです。
iDeCoなどの制度の活用はたしかに単なる貯金よりは効果がありますが、最終的に解約/売却して大きなお金の塊を得るためにやるものですから、根本的には「お金を貯める」ことと然して変わりません。
解約・売却した後に手にした大きなお金の塊は、そのあと年金収入だけでは生活費をまかないきれない部分をカバーするため、あるいは何か大きな出費が発生した時に使われるので段々と減っていきます。
準備できた額がそれなりに大きければ、「計算上は間に合う」ので、少しずつ減っていっても本当はそんなに心配にならなくてもいいはずなのですが、残りが少なくなるのを通帳で見てしまうとどうしても心配になってしまうのだそうです。しかもお金に関する意識調査の結果などを見ると、減るから心配になるというより、お金が減る前からすで心配・減る/無くなることが怖いという人が多いようです。
総務省が公表している統計などを見る限りでは、一昨年騒がれた「老後2,000万円問題」報告書どおりに2,000万円くらいの額を準備できていれば老後はそれほど心配はないと統計などは示していますが、少しずつ減り続ければ最後はギリギリになってしまうように感じるのかもしれません。
怖くなるのはなぜかというと、寿命が読めないからで、思わぬ長生きをしたら足りないかもしれない、でもその頃にはもう貯め直す手段もない。となると不安になるのも当然です。
なので、「お金を貯める」とか「使えるお金をより大きくしておく」といった方法だけでは十分とは言えません。もちろんお金があれば、必要となるモノやサービスを買い続けることは出来るので何も準備をしないよりは遥かにマシではありますが…。
「収入-支出」の差額を貯めるだけではなく、それを活かして稼ぐ
「お金が減る・無くなるのがコワい」を克服したければ、お金を得続けるしかありませんが、多くの人はそれを働くことで実行しようとします。
70歳定年法とかが制定されて働き続けられる環境が整いつつあるように見えるのでそれで何とかしようとしている人も増えているように見えます。でも実際はいい勤め先といわれているところの多くがすでに今の段階から年齢高めの人員の大量整理を進めています。働き口はあるにはありますが、いわゆるアルバイト的なものが多いようなので、メインの収入源としては頼れません。
では、貯めても不安になり働いてどうにかするのも難しいとなれば、どうすればよいかというと、代わりに稼いでお金を生んでくれるもの自体を持てばよいのです。
貯めていても増えてはくれない貯金を、何かお金を生んでくれるものに持ち替えて、そして新たに上がってくる収入を使ってさらにそうしたものの数を増やしていきます。
すると毎月「働く」に頼らずともお金を得ることが出来るので、減る・無くなるを気にしなくて済みます。もっと言えば、もともと減る・無くなるものをもっていなくても大丈夫ということになります。
大きな収入が無くてもこれは実行可能です。 幻冬舎ゴールドオンラインの「年金25万円、貯蓄5000万円…老後破綻する高額所得者に唖然」 などにもあるとおり、収入が多くてもその分多く使いすぎて残りがほとんど無い・有っても普段の出費が多すぎて老後に生活が困る人は多いので、最初に投資をするために必要なお金を貯めるにあたって、収入の多い少ないは問題ではありません。ふだんから本当は不必要な出費を抑えられているかどうかがカギですから、「収入-支出」の差額がある程度あれば、十分に実行可能です。
「収入-支出」の差額をずっと貯め込むだけでは安心は得られませんが、それを使って稼ぎ続けることが出来れば、お金を心配はだいぶ和らいでくれます。