結局のところ、雇われ先(勤め先)というのは他人のものでしかありません。尽くしても結果を出しても突然切られるといったこともわりと普通に起こるので、働いた分だけお金をくれるところと割り切っておき、力を入れるなら自分のものになるものを築くために向けるほうがいいかもしれません。
尽くしても結果を出しても
プレジデントオンラインの「「辞めますというセリフしか出なかった」希望退職に応じた女性人事課長50歳の胸の内」などをみると、望んでも最後まで同じところで勤め上げるのが今のご時世いかに難しいかが分かります。
これによるととある女性が長い時間を掛けて積んだ頑張りが、突然の希望退職の打診=実質的に解雇となり一瞬にしてほぼ無駄となってしまったとあります。ためを思って尽くしたのに、それが一瞬にして意味なしに。何とも勿体ないことですが、よく聞く話ではあります。
もしクビにならなくてもそういうことは起きます。組織のトップが変わり方針も変わったら、それまで現場でやっていたことが必要とされなくなることもあるので、積んだものが全く活かせなくなるときもあります。
個人レベルで見れば、じぶんが物理的に何かを失ったわけではないし、それらの業務を通して得た得た経験は、他で活かせるかもしれないので「無駄ではなかった」と見ることもできますが、それでも、それまでに費やした時間自体はどうやっても回収はできないので、失ったものが大きいのは確かです。もらった給料分以上に時間を掛けて頑張っていたとしたら、損はさらに大きかったということになります。
次で活かせるといっても、出された時の年齢が高めだと、次の就職先はそんなに簡単には見つからないと聞きます。長ければ数年掛かることもよくあるらしく、元々の給料が高かったら、給料の希望額を前の半分以下に落としても見つからないそうです。経験や得たスキル自体は確かに残ってしますが、持っているだけでは稼げません。じぶんが物理的に動き回りそれを使える機会が得られなければ、お金は入ってきません。
それに、重要な仕事をさせられていた人なら苦しい時でも組織に残されやすいのかというとそうでもないようです。先程の記事中の女性の場合、働きやすい環境づくりという重要な任務に就いて結果も残していたようですが、それでも勤め先自体の財務状況が悪くなれば切られてしまいます。どれだけ優秀であろうが、重要であろうがあまり関係ないようです。
頑張って上に行っても、出されてしまったらそのポジションも役には立ちません。居る時にか使えない・稼げないものです。
だから頑張り過ぎは考えものです。結局誰のためにもならないときもあるし、再利用が効きにくいし、ずっと頼ることもできません。
まずは基盤を築いてから
この女性も出された時には、それまでの頑張りは一体何だったのだろうかと、やるせない気持ちだけが残ったそうですが、そんな思いをするくらいなら最初から、勤め先というのは求められた分の仕事だけをしっかりこなしお金をもらうところくらいに割り切って、必要以上には頑張り過ぎないほうがいいかもしれません。
どうせ何かに力を入れるなら、自分のものになるもののために力を使ったほうが良さそうです。力を入れて築いたじぶんのものは、何かがあった時に助けになってくれる=お金を稼いでくれます。他人のために積んだ頑張りは、助けてはくれません。恩返しという感じで誰かが手を差し伸べてくれることもあるかもしれませんが、確約があるわけではありません。
ずっと面倒を見てくれる保証があるわけでもないのに、じぶんの人生を他人のために捧げてしまうのは勿体なさすぎます。一度しかない人生ですから、ライフワークというか生きがいのようなものは、最初にまず基盤を強くしてからまたどこか別のところでみつけるほうが、長くやっていけそうな気がします。