備えなければならないのは分かっていても、事情があってできなかった…。そんなケースもよくあるんじゃないでしょうか。手持ちが少ないということで心配になるかもしれませんが大丈夫です。引退まであと10年もあるのであれば、老後の備えもかなり進められます。
50歳からでも備えられる
とくに贅沢をせず普通に暮らすだけだとしても、生きていくには色々お金が掛かります。ですから幻冬舎ゴールドオンラインの「50代貯蓄なし夫婦「将来年金額26万円」の先に待つ老後破綻」などにもあるように、少々見通しが甘かった部分もあるかもしれないですが、生活基盤を維持して子どもを育て上げるまでが精いっぱいで、お金を貯めることが出来なかったという人も多いかと思うのです。
これによると50歳代での平均貯蓄額のボリュームゾーン(ある意味本当の意味での平均)は約800万円で、これくらいの蓄えが無いと老後の生活が心配されるとあるのですが、まだ希望はあります。
なぜ大丈夫なのかと言うと、10年もあれば働く以外の収入源を持つ・その数を増やしていけるからです。久しぶりに試算してみましょうか。
スタート地点は50歳ちょうど・金融資産はゼロからとします。「まだ大丈夫」とは言えもっと若い人よりも残り時間が少ないのも事実ですし、できるだけ頑張らないといけないので少なくとも毎月3万円は必ず貯めるものとします。
最初の6年間はひたすら貯金です。そして貯金が200万円近くに達したら、最初に中古の戸建てなどの不動産を買います。それに最小限のリフォームをして賃貸に出し、地元の不動産屋さんの力を借りて入居者がつけば、毎月3万円くらいの家賃が入るようになります。
まずこれが大きな一歩です。いままで生身の自分が動くことでしかお金が稼げなかったところに、いっしょにお金を稼いでくれる強い味方が加わったことになります。
そうなるとその後はもっと早くなります。毎月3万円の貯金と家賃を合わせれば、最初の半分の時間=3年くらいで次の不動産が買えます。つまりまた同じような戸建てを選び、そしてそれも賃貸に出します。そうすることで家賃の収入がまた増えます。
その後は、毎月の貯金+ふたつの不動産の家賃で月9万円近くを貯められるので、3つめの不動産は2年掛からず買えます。そしてこれもまた同じように賃貸に出します。
ここまで約10~11年。ちょっと飛び出てしまいましたが、不動産が3つあれば給料のほかに毎月9~10万円の収入があります。毎月これだけあれば、かなり心強いはずです。もし貯金しか無ければ、たとえ数億円持っていてもこんなに稼げません。
ここまで不動産だけできたので、いくら心強い収入源があるといっても、少しくらいはすぐにでも現金に変えられるものがないと心配になるかもしれません。
であれば、もし多少給料が落ちたとしても65歳まで働けるのであれば、残り4年近くを使って、今後はお金を回す対象を高配当が付く株式に変えればよいのです。
給料から毎月3万円貯めるのは続けて、3つの不動産から上がる家賃も合わせます。すると年利換算で4~5%の配当が付く銘柄を選んで買い付ける場合、約2年あれば毎月1万円分くらいの配当収入を得られるようになります。4年使えば毎月2万円の配当収入にはなります。
10年もあれば準備できる
さてこれら家賃や配当の両方を合わせると、60歳時点でも毎月9~10万円+0万円、65歳時点では毎月9~10万円+2万円=計11~12万円と、将来もらえるであろう平均的な年金支給額の22万円の半分に相当する額になります。
年金収入だけでは毎月5万円くらい不足するということで、老後に向けて2,000万円くらい準備しておかないとヤバイ!とか言われてますが、これだけあれば、大きな出費があったとしても、それをカバーし続けてくれます。
ただのお金の塊の2,000万円は、こんな風にお金を稼いではくれません。たとえ数億円持っていても毎月こんなに稼げません。 しかも現金は使ったら手元から消えます。だからいくら積んでも安心できません。少しでも減れば怖くなります。それに対し、不動産や株式などのお金を生んでくれるものは、何度使っても消えたりはしません。
だいじなのはいくら貯め込められるかではありません。いくらくらい稼ぎ続けられるかです。
50歳でゼロからのスタートでも大丈夫。10年もあれば、いい老後生活を送れる基盤は作れます。