今月3日、慶応大先端生命科学研究所の曽我明義教授らは、
唾液による大腸がん検査につて、多くの人から採取した検体を一度に測定する技術を開発したと発表した。
制度も高いうえ、検査に要する時間が大幅に減り、手軽ながん診断へ期待がかかる。
成果は国際的な分析科学誌
「ジャーナル・オブ・クロマトグラフィーA」
電子版に掲載された。
大腸がんなどの患者の唾液や尿からは一般の人に比べ高精度のポリアミンと呼ばれる成分が検出される。
鶴岡市のベンチャー企業
「サリバテック」
が専用の検査キットを開発するなど、唾液中のポリアミン濃度からがんのリスクや有無を調べる方法は近年
普及が進んでいる。
従来は1検体ずつ10分以上かけて調べたが、新たな技術では40検体をまとめて40分で測定できる。
一般的な便潜血検査に比べ手間がかからず、精度も高いという。
今後はサリバテックへ技術を導入し、実用化と大幅なコスト削減を目指す。
大腸がんは、日本で非常に患者数の多いがんのひとつです。
年齢別にみると、40歳代から増加し始め、高齢になるほど罹患率が高くなります。
国立がん研究センターによる2018年の統計予測によると、全てのがんのなかで、大腸がんの罹患数は、男性女性ともに2位であり、死亡数においては、
男性で3位、女性では1位になっています。
がんが進行すると血便や下血、下痢・便秘などの症状が現れますが、
症状を自覚したときには手術で完治が不可能なほど状態が悪化していることもあります。
また、大腸がんの生存率は、どの段階でがんを発見できるかによって大きく変化します。早期がんの段階(ステージ1以下)で発見できれば5年生存率は97%を超えますが、進行がんの段階(ステージ4)で発見した場合の5年生存率は20%にまで低下します。
大腸がんは、発見時期によって、生存率に大きな差が出る病気であることを知っていただきたいです。
「時すでに遅し」
にならぬよう、万全の対策をしていきたいですね。