誰も面倒は見てくれないのでじぶんの将来のことはじぶんで何とかしないといけないという意識は、新しい世代の人たちの中にはかなり浸透してきているようです。でもおそらく学校ではお金について学ぶ機会がほとんどなかったためか、「とりあえずお金を貯める」で止まってしまっている人も多いようなのですが、お金について心配せずに生きていけるようになるためには、将来あと少しだけその先へ進まないといけません。
貯金は出発点
All Aboutの「若者の1カ月のお金の使い道「貯金」が2位に! 平均貯金額は?」によると、18~24歳の新しい世代の人たちは意外と堅実に生きているようです。昔と比べると貯蓄率が下がっているようではあるのですが、アルバイトなどで得た収入のほとんどを使い切ってしまっているのかと思いきや、意外にも使い道としては「貯めておく」が2位と大きなウェイトを占めているようです。コロナ禍が起きたことで将来がどうなるか不安を感じたからというのもあるでしょう。
まだ若いながらもしっかりとお金を貯めている理由としては、もしもの不測に備えてという人が約半数も居ることから漠然とした不安はあるものの、資産運用などについて知識が無いことが心配という人も4割近く居ることから、心配だけど具体的にどう備えたらいいのか分からなくて、不安を抱えたまま困っている様子です。
困るのもある意味当然です。 そもそも実際に投資からの上がりを得ているという人の割合がわずか3~5%しか居ないので、やっている人に会う機会もほとんどないだろうし、親がやっていなければ、社会に出るまでは実質知る機会がほとんどないということになります。
学校教育にもようやくこれから少しずつファイナンシャル教育の基礎みたいなものを入れていくそうですが、現時点ですでに18歳以上の人たちはおそらく学校ではほとんどお金についての勉強をする機会は無かったのではないでしょうか。それにこれから新たに教えると言っても、教える側だって今まで「働く」「お金をためる」くらいしかしたことが無いという人がほとんどでしょうし、自分がやったことがないことについてはなかなか上手くは教えられません。
とはいえ、「貯める」は「増やす」ための出発点ですから、備えようと動き始めていることは良いことです。その額も見てみると、まだ学生も含まれているため平均貯蓄額は約27万円と小さいようですが、アルバイトなどによる月約5万8千円の稼ぎの中から1万7千円も貯金できているならなかなか立派です。
今後ひとりで自活して本格的にどこかに勤め始めるとなると、毎月給料が入ってくるようになるとはいえ生活費がそれなりに掛かるので今と同じような割合で貯めていくことは難しいのですが、約5万円の稼げでも貯められたのであれば、ぜひとも月3万円以上のペースで続けてもらいたいところです。「それが本当にじぶんにとって必要なものなのか」「それがいくら生んでくれるものなのか」等を意識すれば、お金は貯められます。無理して周りに合わせてお金を使う必要はありません。
「働く」「貯める」の先へ行くと
先程の記事によると。無理ない範囲で貯金をしているという人が多いようですが、将来の不安を少しでも無くすためには、ある程度無理にでもしないと貯められません。ですからどこかに勤め始めたら、まずは毎月必ず先取りで給料から半強制的に避けられる形にしておくほうが効果的で確実です。引かれてもそのうち「最初からなかった」と思えるようになります。
貯金がある程度の額になったところで何かお金を生んでくれるものに持ち替えます。そしてそこから新たに上がる収益と、毎月続けている貯金を合わせることで、お金を生んでくれるものをさらに増やせます。
順番としてはまずは中古の戸建てなどの不動産からはじめ、手が掛からなくなったら空き時間を使ってサイトなどを持つのもいいし、最後に高配当が付く株式へ…と勧めていくといいかもしれません。
お金は一度使うと手元から消えるので、いくら積んでも心配が尽きないのですが、お金を生んでくれるものを持ちその数を増やしていくと、たとえ手元のお金がゼロだったとしても、定期的な上がりがあるということで、お金が減る・無くなる=生きられないという恐怖をあまり感じずに済みます。それに、上がってくる額が大きければ、「働く」に頼らなくても生きられるようにもなれる=無理に他人の都合に合わせなくても生きられるようにもなれます。
少しでも自由で安定した暮らしを得るためにも、「働く」「貯める」の少し先へ行き、持っているものを増やしてそれで稼ぐことも学んでいきましょう。