給料が少ない、だから頑張ってなんとか増やしたい、でもなかなか増えない。もしかしたら一生ほとんど変わらないかもしれません。「働く」世界だけを見れば、今はそうなりつつあります。でも他の世界にも目を向ければ、稼ぎを大きく増やせる可能性はあります。
いっそのこと給料は変わらないものくらいに思っておいた方がいいのかも
LIMOの「新卒の手取りはいくら?若者の生活が苦しい理由」 によると、いちおう日本の初任給は年々上がり続けているらしいのですが、それでも平均すると最初は月額20万円強で手取りで見れば男性17万円・女性16万円と、20~30年前とあまり変わらない水準です。それゆえに今でも社会に出たての人たちは一人暮らしであればかなり苦しいようです。
今までの給与体系は、長く勤めるほど給料が上がるものとなっていたので、それどおりに順調に増えてくれればスタート地点がヒドくても何とかなってはいたのですが、昔のようには経済のパイがなかなか大きくならない上に、競争環境も厳しくなって人件費を抑えないと生き残れなくなってきていたりもするので、 昔のように自動的に上がってくれなくなってしまいました。
たまに○○が年収1,000万円以上の給料を提示して高度な技術を持つ人材を募集しているといった報道も見掛けますがそれはごく一部のようで、 人手不足のところがあるとはいっても、全体的にはいまでも人件費は抑えられているようです。「それでも就きたいやつはいる」ということで、余計に上がりにくいのかもしれません。
さらにこの先もっと同一労働同一賃金が浸透してくると、同じ労働でも正規雇用の人たちだけ長く務め続けるだけで昇給させるのはおかしいということで、同じ仕事内容である限りは非正規で雇われる人たちと条件を合わせて給料もほとんどそのままにされる、といったことも起こり得ます。加えて、足りない需要を作るための投資も財政規律のせいで抑えられている+これを守るために増税もし続けているとなると、国全体の経済がなかなか成長しにくい=所得が増えにくい状態にあります。
そうなると新しい世代の人たちの給料は、よく見ればごく僅かながら上がるかもしれませんが初任給に近い給料のままなんてことも十分にありえるわけで、 いっそのこと最初から給料は一生変わらないもの、くらいに思っておいた方が後でガッカリせずにいいのところかもしれません…。
一昨年あたりにもたしか現役を通して給料があまり増えず年収300万円台でほとんど変わらずという人も多いと触れましたが、よく考えたら10年以上も前からそんな状況は始まっていたような気もします。
「働く」を頑張れる力を自分のために使う
リーマンショック後くらいからすでにそうだった(もしかしたらもっと前かもしれません)とすれば、もし方向性が変わるとしてもすぐには状況は変わりません。所得が増えないと経済も成長しないので幸せにはなれにくいのですが、給料は元々もらう側個人が何かできる部分が小さく、もらえるかどうかも環境や雇う側の都合や状態次第なので、これだけが唯一の収入源である場合は、どうにも状況を変えようがありません。
でも「働く」と並行して別の世界にも自分の領域を広げていくと、給料がどうのといったこともあまり気にならなくなります。その方向に進むのも難しくはありません。「働く」を頑張れるだけの力がある人であれば十分にやれます。
まずは給料の一部を毎月必ず先取りで貯め続け(*一時的にです)、それがある程度の額に達したら、不動産や株式やwebメディアあるいは他の何か稼ぎを生んでくれるものに持ち替えます。その後は、新たに上がってくる収入と毎月の貯金をまたつぎ込んでその数を増やしていくだけです。
するともし給料が一生最初の額に近いままでも、他の収入が増えていてそれ以上に稼げているとしたら、労働に依存しなくても生きていけるので、もはや給料がいくらであるかは問題ではなくなります。
労働一本の場合はそうはなれません。いいお仕事に就けていいお給料をもらえたと思っても、要らなくなれば、あるいは勤め先自体が苦しくなれば突然ポイと捨てられてしまうのが今の社会。歳を重ねるごとにそうなる可能性も上がりまるので、常にクビの陰におびえることになります。
ですが同じ歳になる頃にすでに給料に頼らなくても良い状態であれば、勤め仕事がどうなろうがあまり気にせずに居られます。精神的に余裕が持てるというのは大きな強みでもあります。
最初の勤め先がくれるものが安くても大丈夫。先細る世界だけにとらわれているとなかなか希望を見出せませんが、他にも目を向けると色々可能性があるのが分かります。「働く」以外の世界を怖がり過ぎず、自分の領域を広げていきましょう。