少しずつ給料への依存度を下げて他の収入を増やしていけば、いつかはアーリーリタイヤすることもできます。でも単に貯金=大きなお金の塊を作るだけしかしていないのであれば、アーリーリタイヤの実現はほぼ不可能と思っておいたほうがいいでしょう。
完全なリタイヤはムリだけど…
幻冬舎ゴールドオンラインの「将来年金額「11万円」50歳会社員…安易な早期退職を大後悔」によると、割増しの退職金と引き換えに実質クビを言い渡されることになった人たちの中には、喜んでそれに応じて引退を決める人もいるそうです。
今まで間近で見てきた例からすると確かに年収の倍以上もらえているケースが多いようなのですが、もし他に特に貯えが無かったとしたらどう見ても引退するにはお金が足りなさそうなので、本当かどうかは疑わしいところもあるのですが、中には少し楽天的に考えすぎてしまう人も居るのかもしれませんね。
ただもしそれだけの退職金をもらえるのであれば、アーリーリタイヤは無理でも、無理をせずに生きていくことは可能かもしれません。これによると30~59歳の現役世代の単身者の毎月の平均的な支出額は約15万円で、年金受給開始までの15年間の生活費から、早期退職に応じて得られた退職金=50歳時の平均年収×2年分(として)を差し引くと、約1691万円になるらしいので毎年112~113万円分を何とか働くなどして得ればよいということになります。
50歳どころか40代以上になると、一度「いい勤め先」から途中で突然放り出されてしまうと次に同じような働き口はほぼ見つからない・希望条件を下げたとしても難しく苦労するそうですが、月9~10万円くらいであれば決して高望みではないし人手不足のところもあるので何とか見つかるはずです。金額的に少しフルタイムに近くなってしまうかもしれませんが、それでも本雇いで同じような業務につくよりは気楽にやっていけるんじゃないでしょうか。
完全なリタイヤはムリでも、少し多めの退職金が支給されれば、何とかそれほど大きなストレスを抱えることも無く生きていくことが出来そうですから、ムチャすぎるという感じでもありません。ただお金が足りないのは確かなので、ある程度働く覚悟は絶対必要になります。
じぶんがお金のために働くだけでなく、お金にもじぶんを助けてもらう
「月15万円として…」となるとちょっと生活費がギリギリのような気もしますがとにかく50歳で出されてしまっても、もしふだんあまり贅沢をしていなければ、ちょっと準備不足のところはありますが何とかなるようです。でもそれは「少し働き貯金を取り崩しながら引退まで暮らす場合は」ですから、じぶんが働くだけではなく、お金にも働いてじぶんを助けてもらうようにすれば、実はもっと気楽に生きることもできるのです。
お金は一度使えば手元から消えて無くなってしまいます。だから減ったり無くなったりすると不安になります。お金が尽きたときが寿命と思ってしまうからです。
でもお金が必要となるごとに貯金というお金の塊を取り崩す代わりに、お金を生んでくれるものを持っていれば、その恐怖はだいぶ和らいでくれます。
50歳でいきなりwebメディアなどを持つのは難しいでしょうから不動産や株式などがメインになるかとは思いますが、取り崩す前に最初から貯金をお金を生んでくれるものに持ち替えていれば、「減る」「無くなる」をあまり意識しなくて済むようになります。上がってくる家賃や配当を使っても、それらを生んでくれるもの自体は無くならないからです。
元手(割増しで得た退職金)の1,000万円のうち400万円で中古の不動産などを買い600万円を高配当が付く株式に回せば、毎月だいたい家賃6万円と配当2万円が稼げます。「貯金を取り崩しながら働く」の場合は、毎月5万円のお金が失われた上に、10万円分働かなければなりませんが、このようにお金を生んでくれるものに助けてもらえると、働かなければならない量も少し減らすことが出来ます。
ただし、まだ健康で元気であればなるべくそのまま10万円分働いたおいたほうがいいかもしれません。生活費分以上に稼げている毎月3万円分はさらなる投資に回すことが出来ます。不動産であれば6年もすればそれだけでまた同じような物件を一つ増やして家賃の上がりを増やせるし、代わりに株式であれば7年くらいで毎月1万円分の配当の稼ぎを増やせます。引退までの時間はなるべくこれらの上がりを増やしておきたいところです。
そうすると65歳での完全な引退時には、仮にもし年金収入が少し少なめであったとしても、他の上がりもあるのでお金について心配しなくても済みます。
働く・貯める・取り崩す、だけでは遠すぎますが、それ以外のやり方を知っておけば完全なアーリーリタイヤにかなり近づくことが出来ます。もしこれを20代で始めたら、40歳近くで到達することだって可能なのです。