お金の貯め込みにあまり意味がありません。
ワケはいくつかありますが、一番大きいのは「使ったら消えて無くなってしまう」からで、もうひとつは「それ自体がお金を稼いでくれない」からです。
価値の変動よりも、性質そのもののほうはもっと問題かも…
withonlineの「1万円が1万円の価値じゃなくなる!? 地道に貯金しかしていない人の末路」によると、お金の心配なく生きられるようになるには、単なるお金の貯め込みだけではダメなようです。なぜダメなのかというと、お金の価値は常に変動するので、もし物価水準が上がったら貯めておいた現金がその時には元々期待していたとおりの力を発揮してくれないからとあります。
何年か前と比べると極わずかながら物価水準は上がっているので、たしかにお金の価値がほんの少しだけ落ちていると言えます。でも実はこれはそんなに大きな問題ではないかもしれません。というのも、物価の上がり方がこれにもあるとおり、あまりに小さいからです。物価と賃金が「順調に」伸びている国であれば、かなり気にしておく必要がありますが、残念ながらいま日本ではそういう環境にはないため、それほど心配する必要は無さそうです。それよりももっと気にするべき理由は、お金そのものの中にあります。
たとえば先程の記事中に示された心配事であるインフレの逆のひどいデフレ状態にまた経済が逆戻りしてしまった場合、持っているお金は今以上に何かを買う力を発揮してくれます。
しかしです。価値は上がっても、お金はお金。何かを買える力が上がっても、一度使ったら手元から消えて無くなるという性質自体はずっと変わりません。
手持ちが無くなったら生きていけないと思ってしまうので、少しでも減ったら不安になります。不安にならないようにするためには、「使わない」しかないのですが、使えないとなると一生懸命貯め込むために費やした時間もあまり意味がなくなります。使わずガマンばかりだと、せっかくの一度きりの人生を楽しむことも出来なくて、一体何のための人生だったのか…という思いだけが残ってしまいそうです。
他のタイプの資産と同じように、持っているだけでも何か役に立ってくれる(お金を稼いでくれる)というのであればまだ良いのですが、今はそれも期待できません。
その昔、単純にお金を銀行に長期で預けてさえいれば高い利子が付いてお金自体が増える・やろうと思えばそれだけで食べていくことも可能だった時期がしばらく続きましたが、今それとおなじようなことをするとなると、億単位のお金があっても元手が足りません。今の金利水準が続けば、数十年経ってもお金はほとんど増えません。
使えば消える・しかも稼げないものは、多く貯め込んでも実はそんなに頼りにはならないと思うのです。
ファンドよりも頼れるものを
さて先程の記事によると、お金自体の価値の下落をカバーするには、価値が上がる資産に投資をするのが一番で、そこでお勧めなのがファンド類なのだとか。
でも基本的にこれらは最終的に売り払うことで、そのときに売却益を手にする=使えば消えて無くなるお金の大きな塊を得るために買って積み立てるものなので、単純に「お金を貯め込む⇒それを取り崩して何とかする」戦略とほとんど変わりありません。
ファンドに投資をすれば、より大きなお金の塊は手に入るかもしれません。でも使えば消えて無くなるのは同じ。お金が持ち主を助けてくれるのは相変わらずたったの一回だけです。
お金が必要となるときが来るのは人生で一回だけとでも決まっていれば、それでも全然問題は無いのですが、残念ながら何度危機が訪れるかは誰にもわかりません…。
でもお金の代わりに、お金を稼いでくれるものを持てば何度でも危機を乗り越えることが出来ます。
たとえば不動産や株式などは、上がってくる収益を何度使ってもこれらの資産自体は無くならないし、持ち主自身がどういう状態にあるか等はあまり稼ぎと関係ありません。
一度しか使えないものを結局最後まで使えずに居るよりも、ずっと使えるものを持っておくほうが経済的にも安心だし、減る・無くなるを気にせずにもっと人生を楽しむこともできます。