異物を排除する免疫細胞にガンへの攻撃を促す
「免疫チェックポイント阻害剤」
という薬が効かない場合、加齢に伴い攻撃役の免疫細胞がうまく育たなくなった
「免疫老化」
が原因の可能性があるとするマウス実験の結果を、京都大の本庶佑特別教授、先端医療研究センターの中島由佳研究員らが、
米科学アカデミー紀要電子版にて発表した。
高齢マウスに人間の細胞を投与することで強烈な刺激を加えると、体内の
T細胞という免疫細胞が未熟な状態から攻撃役の
「エフェクターT細胞」
に成長し、薬の効果が出ることも分かった。
チームは薬が効かなかったガン患者に他人の細胞を投与し、改めて薬を使ってもらうことで治療を可能にする
臨床試験を構想中だとした。
実験では若いマウスと高齢マウスにガン細胞を移植し、体内の免疫細胞の攻勢を調べると、未熟な
T細胞からエフェクターT細胞になる途中段階の細胞が高齢マウスでは若いマウスの半分以下しかいなかった。
異物に敏感に反応し攻撃態勢を整える力が廊下で落ちていることがうかがえた。
そこで高齢マウスに人の細胞を投与して免疫を強く刺激したところ、10日後にはエフェクターT細胞が増加。
この状態でがん細胞を移植し薬を投与すると、移植から4週間後の時点で、ガンの体積は人の細胞を投与していない高齢マウスの6分の1に抑えられていた。
老化は避けることができないものです。
しかし、若々しく生活するということは誰でも可能です。
バランスよい食事や、適度な運動、喫煙を電子タバコに変える(過去の記事を参照)、過度なストレスを抱えた生活を送らないなど、
心も身体も健康でいようとする心構えが、がんと闘える耐性になると思います。
急にすべてを変えようなんて難しい話です。
一歩ずつ、アップデートできる毎日を過ごしていきたいものですね。