借金を悪と信じ切ってしまうと損をします。持つものすべてが100%自己所有だと、外から何かに追われるようなことが無いので安心ではあるのですが、その代わり身動きが取れなくなるので困ります。
ときどき、もし手元に自宅を建替えたときの現金があったら投資の規模をもっとできたのに…と思うと、悔やまれてなりません。
返済を急ぎ過ぎなくても良い
幻冬舎ゴールドオンラインの「住宅ローン返済を急ぐと「老後破綻リスクが上がる」皮肉な理由」によると、借金を悪いものと思い込んで返済を急ぎすぎると、本当に必要な時に現金が手元になければ生活自体が成り立たなくなるのでキケンとあります。
借りたものは返さねばという思いは正しいものですし、少しでも早く返してなるべく金利支払い負担を軽くしていきたいという思いも分かります。ですが手元のお金を使い切ってしまうと、「今こそこれが必要」とされるモノやサービスが利用できないようなことになれば後々ずっと不利になってしまうこともあるので、それでは本末転倒です。
決められたスケジュール通りに支払っていけば、変に追いかけられることもないようなので、無理をすべきではありません。何にお金を回すべきかをよく考えて、優先順位を付けていくことが大事です。
ローンの金利にはあまり詳しくありませんが、よく聞く35年ローンなどでも、ものによっては完済までの間ずっと固定された金利で借りられるものだってあるはずで、「時価」で変わる金利と比べると多少割高になるかもしれませんが、それでも一昔前の年利3~5%とかよりは低く負担は軽く、しかも固定されるということはそれ以上に劇的に支払いが増えるようなことは無いので、借金と言っても実は怖れるほどのものでは無いのかも?
先人たちは、今の金利は低いので今の人たちはうらやましい・敢えて急いで返す理由は無いのではと言います。
金利の支払い負担を昔と比較してみると、金利が高かった頃は、ローンを支払える頃には金利の支払総額が、借りた元金とほぼ変わらないくらいになっていました。それが今では、三十数年掛けての金利の支払い総額は、借りた元金の3割程度にしかならないので、随分と軽く使いやすくなったようです。
こうしたことを早くから知っておけば、こんな失敗をせずに済んだのですが…。
借りて時間を買うのも一つの手
いまさら後悔しても遅いのですが、手元に資金を残しておき、投資の規模をあと3分の1ほど増やしておけばもっと早くに先まで行けたのでは…と思ったりするのです。
祖父が借り入れでしていた頃の金利負担を思うとどうしても借りる気になれなかったので仕方がないのですが、よくよく考えてみれば、 借りて建て直していたとして返済途中で「もしも」のことがあったとしても、団信という保険に入っていれば、残された家族に負担にはならないし、 投資での利回りが金利を大きく上回れば、外のお金を使ってお金を稼げているという理想的な状態なので、特に問題はありません。
抵当が付く、を毛嫌いし過ぎて、稼ぎ自体と資産規模をもっと大きくする機会を逃してしまったようです。まあ、そこそこ食べていける規模ではあるので今さら無理をしてどこからか融資を引くといったことはしませんが、これから始めたいという方は、こうした失敗を参考にしてもらいたいと思います。
借金はなるべく悪いものだから早く返せという教えは、バブル期までの金利が高かった頃には正しかったのかもしれませんが、いまはそこまで危険視しなくても良く、上手く付き合えば大丈夫そうです。あれもやりたい、これもやりたい、でも手持ちは限られている…というときに、時間をくれる心強い味方と思えばよいのです。