老後に備えてあるいは現役でいる間の突然のクビなどのリスクに備えて「貯金しよう!」といったアドバイスをよく見かけますが、あまり有効な策ではありません。
お金が無くなったら生きられない…という恐怖を克服したければ、貯金に励むよりも、 お金を稼いでくれるもの自体を持つほうがもっと安心を得られます。
現金は最強?
cash is kingという格言がありますが、確かにお金の塊を持っていれば、病気やケガもしくは突然解雇されるなど何かが起こっても、その場しのぎくらいにはなってくれるので、たしかに何も持っていないよりは全然マシです。でも当たり前ながら現金は一度使えば消えて無くなってしまいます。ずっとは頼れません。
現金の弱点はそれだけではありません。 幻冬舎ゴールドオンラインの「「老後にインフレ突入」の衝撃度…高齢者の預貯金はボロボロに」などにもありますが、現金は一昔前と違って、持っているだけでそれ自体が何かを生んでくれるというものではなくなってしまいました。
正確に限りなくゼロに近い利子が付くには付きますが、仮にもし全額を長期の定期預金として寝かしておいてその上がりだけで家族全員が生きていこうとすれば、普通の人が用意できないだけの元手が必要になります。
価値の変動にも注意が必要です。一見すると常に安定しているかのように見える現金も、一生ずっと国内に居れば価値の変動を感じずに済むかもしれませんが、実は日々変動しています。環境次第でその時に何をどれくらい買えるかは変わるので、せっかく貯め込んだものが期待していたほどの力を将来発揮してくれない可能性もあるので、現金だけを持っておくのはキケンとあります。
使って消えたらまた次の「何か」に備えて貯め直さなければならないので、貯金だけに頼るということは、同じ苦労を延々と繰り返し続けるということになります。しかも「歳を重ねても同じところに勤め続ける」=給料という現金の供給源を保つこと自体が難しくなってきているので、ずっとそれを繰り返すことも出来なくなってきています。
現金だけに頼ることは出来ない
そう考えると、現金よりもそれ以外、たとえば不動産や株式やwebメディアなどの資産のほうがもっと頼れます。もちろんそれらにも市場価値があるので、「現金だけ」の逆でそれ以外のものばかりを持っていれば資産総額は大きく上げ下げするし、リスクも色々あります。たとえば不動産ではどうしても入退去が発生することがあるし、株式だと事業が堅く順調でもNTTドコモのように環境の変化に対応しての突然の買い戻しで別の銘柄を新たに選びなおさなければならないことがあるし、webメディアでもライターさん同士が仕事量でケンカをすれば全く別の人を探さねばならなくなり…とどうにも予防しきれないことが起きたりもします。
それゆえにお金のプロたちもあまり無責任には投資を勧められないから代わりにとにかく現金を貯め込もうとアドバイスをするのかもしれませんが、それでも実需が堅いものから上がる配当や家賃や広告料などは世の中全体が苦しい時でも大体決められたとおりに来るので、今のご時世いつ突然断たれるかも分からない勤め仕事から上がる給料よりも安定しています。また、現金とはちがって何度使っても無くならない・ずっと頼れるというのも大きな強みです。
「冷えついた時に大きく買いこむ」ができるので、そういう意味で確かに現金こそ最強という面もあるのですが、ふだん何も生んでくれないものをただそのままずっと持ち続けるということは、それを使って稼ぐ機会を逃しているということにもなるので、上手くバランスを取らないとですね。
現金を持つなら、守るためではなく攻めるため(稼ぐため)にという心づもりで持つのがいいかもしれません。