働き手の給与レベルをピラミッドに例えて表した場合、一昔前まではわりときれいな形をしていたそうですが、最近では大きく形が崩れてしまい、土台部分が横に大きく広がり=給料が低めの人が多くなり、真ん中が細く高くそびえたつような感じになるそうです。
では代わりに難資格を持って独立でもすれば安泰なのかというと、今度はそちらも平均年収は大きく落ちているようなので、どちらにしても働くだけでそこそこ経済的に幸せになろうとしても無理に近いようです。
年齢に合わせて稼ぎを着実に増やしていきたければ、生身の自分が働くだけでなく、お金にも働いてもらうという考えを学びそれを実行していくといいかもしれません。
誰もが普通に働けば幸せになれるものでもなくなった
もうお勉強に大きなお金をつぎ込んだり、大人になってからも勤め仕事を給料分以上に頑張るといったことは、あまり意味がなさそうなのでやめておいたほうがよさそうな感じです。
まず勤めて働く人については、bizSPA!フレッシュ の「年収800万円も“負け組”に?二分化する「年収ピラミッド」の背景」によると、まだ経済に伸びしろがあった頃には、難資格の取ったり大企業への就職して普通に働くだけで半ば自動的に役職が上がり給料も増えていたので、その道を進めばそこそこ幸せが約束されていたはずなのに、産業構造が大きく変わり技術も進歩したことで、つなぎや管理を担う人がそれほど多く必要とされなくなってしまったので、今ではそれが望めなくなってしまったようです。多くの人は何歳になっても給料が低いままで、一部の幹部候補以外は大きくは稼げないままという構図になってきているそうです。
では資格を取った場合はどうかというと、ニューズウィーク日本版の「弁護士の平均年収は4割減 過去十年で年収が上がった職業、下がった職業」によると、タイトルどおりこの10年間でたとえば弁護士などは資格者数を大きく増やしたわりには争いごと自体はそれほど増えなかったこと・都市部で過密状態であること等もあって、平均年収が1,270万円⇒730万円くらいへの大きく減り、他に会計士や社労士なども大きく減っているようです。
どちらを向いても働くことで大きく稼ぐのは中々難しいそうな状況です。勤め仕事の場合は、役職が上がり給料が増えたとしても、今度はコスパを厳しく見られるのでクビになるリスクも上がります。責任も重くなるので、身体を壊すリスクも上がります。もらえる額が大きくなればお金持ちになれるのかと思いきや、「働く」で大きく稼げば使えるお金は確かに増えますが、その稼ぎをもらうための自分を維持するコストが大きく掛かるので、実は手残りは増えず、いくらもらっても苦しいままの状態が続きます。途中でクビになりつまずけば、ローンを抱えている場合は、大きな借金だけが残ります。
お勉強する・働く、以外に目を向ける
がんばってお勉強をして、いいお仕事に就き、いっぱいお給料をもらうことを目指すためにどんなに苦労をしたとしても、結局ただ背負う責任やリスクが増えるだけならば、働く時間や量は増やさずとも、お金を生んでくれるもの自体を増やすほうが、より安全かつ効率的に稼ぎを増やせます。
たとえ一生給料が低いままだとしても、もらう給料の一部を毎月必ず先取りで貯金(*一時的に)して、それがある程度の額に貯まったところで、不動産や株式やwebメディアなど給料以外のお金を生んでくれるものに持ち替えて、それを増やしていけば、背負う責任や苦労やリスクを増やさずにトータルでの稼ぎを増やせます。
しかもこれらから上がる収益は、持ち主の雇用状況や健康状態等とは連動していないので、クビになっても病気になっていても、必要とされている限りは途切れません。これこそが労働にはない強みです。
「働く」だけにとらわれて平たくなったピラミッドのどこを見ていても暗い未来しか見えてきませんが、その外にも目を向ければ、希望はいくらでもあります。