マネー&ライフ

老後の生活費不足分を何で補うか

老後2,000万円問題が「発覚」して以降、老後の生活費の不足分をカバーする手段として「老後も働く」という方法に注目が集まっています。でも実際働いている人たちに聞くと、いくら今の高齢者の人たちの健康寿命が以前よりも延びているとはいっても60代で働くのはキツいそうです。またよく見ると就ける職種も少ないのが分かります。

働き続けるのも一つの方法として在りかもしれませんが、「最期まで苦しかった…」とならないためには、自分の代わりに働いてくれるものを持っておいたほうが良さそうです。

法律はあっても働き続けられるかは分からない?

社会保障費が膨らみ続けると財政が持たないから各自働いて何とかしてほしい+ちょうど世の中人手不足ということで、いわゆる「70歳定年法」が制定されましたが、早くも形骸化してしまっているような雰囲気もあります。

「老後2,000万円」問題は、老後の毎月の生活費を年金ではカバーしきれない分約5万円×12か月×余命約30年と見積もって算出されたものですが、準備できるか自信ない・無理と確定しているという人も多いことから、定年後も働き続けるという選択肢が最後の希望と見られています。

そうした事情もあって先程の法律が制定されたものの、面倒見を押し付けられそうになっているのはとっくに見透かされており、雇う側としては厳しい競争にさらされている中で高齢になってパフォーマンスの落ちた人員をいつまでも抱え続ける余裕は無くなってきているので、いまはまだとりあえず雇用継続の「努力義務」とされているものがそのうち本当に義務化されてしまう前に、今のうちから高齢者負担義務を軽減しておこうということで、大量の人員整理をすでに始めているので、なるべく定年近くまでは居させないようにしているようにも見えます。

それによく見ると、雇用継続といっても必ずしも同じ仕事で常時お抱えとして雇い続けなければならないわけではなく、業務委託などフリーランスとして、あるいは別のところへの再就職支援でも構わないようです。

概要は実情を見るとこのように、法律は作ったけど実際にはほとんど機能しなさそうなので、よく家計相談などでお金のプロたちがいう「65歳以上も同じ職場で働き続けたとして…」という前提がほとんど成り立たないと見ておいたほうがよさそうです。ときどき「もちろん給料が半分以下であることも覚悟しなければならないが」と入っていることもありますが、それでも見通しが甘すぎるかもしれません…。

年金収入では足りない毎月約5万円を何とかする、ということであればフルタイムのお抱え型の雇用でなくても、アルバイト的なものでも何とかなる額とも言えます。ですが マネーポストWEBの「60代からの働き方 若い人よりも経験や強みを生かせるアルバイトとは」 などを見ると分かりますが、たとえ本人に意欲や気力・体力があったとしても、楽そうなものだったりデスクワーク系の格好いいものは選べないようです。体を動かすものが多いので、さらに歳を取ればいつかは「働く」にも頼れなくなります。

少額の投資で補える

「老後2,000万円」問題を引き起こしたとされる報告書が金融庁に提出される5年前には実はすでに老後生活の実態に関して別の研究結果が発表されており、その中には、消費動向を分析した限りでは毎月の生活費不足分は実際には1万数千円位にしかならないとあります。

公表されている統計を基に導き出された答えなので、ある程度信じても良さそうですから、毎月それくらいの額で済むのであればまだ希望がありそうに見えます。

ただ、どちらの論文/報告書が正しいにしても、年金だけでは毎月少し足りないかもしくは何とかギリギリとなりそうで、少し働いて補い続けていくには健康寿命というタイムリミットがあります。

現金をもっていたとしても長生きをしてしまえば足りなくなる、働くにしても体が動かなくなればお金は入らなくなる、とどちらもダメなら打つ手なしかというと、そんなことはありません。

毎月数万円稼げば何とかなるというのであれば、2,000万円も持たなくても何とかなります。少額の投資をしてたとえば中古の戸建てなどの不動産を1~2件持つか年利換算で4~5%くらいの高配当が付く株式を約1,000万円分買い付ければ、毎月平均でそれだけ稼げます。

家賃や配当などが稼げることと持ち主の健康状態や雇用状況との関係性は無いので、安心して頼れます。お金が減る・無くなる・足りないのが怖いのであれば、稼げるもの自体を持つことで、不安は取り除くことが出来ます。

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