「働く」一本の道がさらに先細っているようです。いつまで待ったとしても今後も「働く」の世界が良くなることは考えにくいので準備をしたほうがいいと言い続けたのに、10年前は信じてくれる人はあまり居ませんでした。ようやく理解してくれたものの、「分かったからどうしたらいい?」と聞かれても既にクビ宣告を受けていて何かをするにしても元手がほとんど無い状態でその時にはもう遅かったりするので、とにかくまだ働けているうちに準備を進めておくことが大事です。
働くはどこも厳しい。「安全」であれば、代わりに過酷。
旅行や交通関連、美容やファッション、保険部門、製造関連などここ数週間で希望退職を募っているといった報道をよく目にします。今出ろと言われても移る先なんか無いのでどこも応募数は目標を下回っているようですが、どう頑張っても最終的には出されてしまうでしょう。
よく「コロナ禍が長引くことを見越して」とか前置きとしてつけられているので、これが一時的なものと信じたい人も多いようなのですが、元々どの業界も競争環境が厳しくなっていて新しい技術の導入を進めて人を機械で置き換えたり、高齢者雇用義務を負わされる前に負担を減らしてしまおうということで、大量の人員整理はコロナ禍が起きる前から既に始まっていました。雇う人たちの側にはどこまで効率化できるかを図るいい機会になったととらえる人たちもいるようなので、今回の事態が収束したとしても、スリム化や外注化は進み続け「いいお仕事」は減っていきそうです。
公的なところであれば安心かというとそうでも無いようで、税収が落ちているところではそれが給料にマイナスに作用し、接触が制限されて利用機会が減ったところなどでは人が減らされたりといったことが起きているようです。減った分をどうにかしようにも今度は副業禁止の決まりがあって身動き取れず・何かがあればすぐ出動しなければならずと楽ではありません。
他にも延び延びになっていた案件にも手を付けられ始めているらしく、例えば中日スポーツの「「NHKの人事制度は非常に古く、時代に合わない」前田会長が管理職3割減や採用職種一本化に理解求める」などを見ると、みなしの身分でもクビリスクと無縁ではない・「どうしても必要」とされ続けることが如何に難しいことかが良く分かります。
「いいお仕事に就いていいお給料をもらうために一生懸命お勉強をして、無事その道に進めたら地道に懸命に働くのが一番安全で幸せへの近道」とされていましたが、実はそれにも大きなリスクがあったということになります。
業務によってはケガや病気にもなって稼げなくなることもあり、お抱えとして属しているがゆえに誰かの失敗の巻き添えになったり、なにより一番大きなものは、クビになり無収入⇒生活できなくなるリスクです。 いくらもらっていようがリスクは変わりません。さらに困るのが、その状態が続くことです。30代後半から再就職先を見つけるのは難しくなるそうです。「移った先で給料が半減した…」程度で済めば、まだ幸せなほうなのかもしれません。
労働にも実はリスク満載
言われたとおりに真面目に働けばお金をもらえる道こそが安全でそういう道を歩むためにはお勉強をしなくては…、というのは一見手堅いように見えてこのようにリスク満載です。
では労働に対して投資をして家賃や配当や広告料など給料以外の収入源を持った場合はどうかというと、不動産や株式やwebメディアなどへの投資にも当然リスクはありますが、それを自分でコントロールできる部分が大きいという点が、労働と大きく異なります。よく知らない・分からないものであれば、最初から「それはやらない」と決めることも出来ます。労働ではお金をもらうためには命令に従うしかないので、リスクと付き合わないことを選べません。
一本足で立っている状態は、あまりに不安定過ぎます。 切られればどうにもならなくなるので、その前になるべく多くの柱で自身を支えておきましょう。