昨年も触れましたが、あらゆるものがエッセンシャルに傾きつつあるように見えます。つまらない世の中にはなってしまうかもしれませんが、コロナ禍が収まったとしても、なるべく景気とは連動せず、できればいつでも必要とされるものに関わっていくほうが堅く生きられそうに見えます。
余計なお金を使える人が減っている
最初の緊急事態宣言解除後だったか、ここでもそのうちただ見せるためだけのもの・何もうまないものは徐々に廃れていくかも…と触れましたが、現代ビジネスの「『GINZA SIX』“大量閉店”騒動のウラで、マスコミが報じない「東京大崩壊」のヤバすぎる現実」などを見ると、それが確実に進行しているようにも見えます。相次ぐ閉店はあくまでリニューアルのためといったものもありましたが、場所柄や新しいテナントを見ると復活は難しいかもという見方が多いようです。
今の流れをみていると、大体昨年思っていた通りのようにも見えます。コロナ禍の影響を受けて勤め先の業績が悪くなる・接触が制限されたことによりできなくなって、給料が減ったり仕事を失った人がたくさんいます。そうなると生きていくために今すぐ必要となるもの以外への支出はどうしても削られてしまいます。生活が苦しければ格好良く見せるためのものにお金を使う余裕を持っている人は少なくなり、キレイ・ハデ・ぜいたく系などの需要は落ちてしまいます。
難しくなるのは格好いい商業施設だけではなく、オフィスなどは一足先に撤退が始まっていて空室がさらに目立ってきましたね。リモートワークを推進できる大きなところは、仕上がりが多少雑ながらもリモートや他所からの寄せ集めでもそれなりのものがとりあえずは整うと気づいてしまったので、もうわざわざ中心部のキレイなところに高いお金を払ってみんなで集まらなくてもいいやということで、オフィスを引き払い始めています。
同じような動きは個人単位でも始まっていて、都内自宅周辺を歩いてみるだけでも、最近新しいところでも空きが増えているのが分かります。建てたばかりでほぼ一年近く経っても全然入らないところも多いようなので、立地がすべてと考えていた持ち主は苦しそうです。リモートが推奨されて以降は、わざわざ高いお金を払って何でもに近いところに居なくても済むようになり、快適で機能的/実用的ならもっと離れててもいいとなってしまいました。コロナ禍が収まったとしても今のスタイルを続けたいと希望する人も雇う側と働く側の双方でわりと多く居るので、格好良さで勝負するのは難しくなるかもしれません。
暗いことばかりではない
大きく儲けるには、何か景気と連動した商売をしないと難しいかもしれません。でも景気が悪くなった時のことを思うと、需要がある程度決まっているもののほうが心配事が少なく気持ち的に楽でいられます。
こうして週によっては東京を丸一週間離れて熱海に居たりといったことが出来るのも、できるかぎりいつでも必要とされるものに関わっているからです。家賃や配当や広告料の上がりが景気と連動していたら、ハデだったりきらびやかなものばかりを持っていたとしたら今頃大変です。心配事が多すぎて東京を離れられなかったはずです。
コスパや実用性ばかりが重視されると色々つまらなくなってしまう部分はあるかもしれません。先程の記事の結びにもこの流れの先に来るものは暗い未来しかないとありましたが、いいこともあります。
すでにある必要なものをさらに研ぎ澄ますことでも成長は可能だし、みんな余裕が無ければ「○○さん/周りがこれをやっているから、自分もやらなくちゃ」と合わせる必要もなくなる=本当はあまり必要と思っていない消費を強いられなくて済むので、もっと楽に生きられそうな気もします。
無理に膨らませたものは最初からあてにしないほうが、あとでガッカリせずに済みます。