ちまたでは年金がどうなるか分からないとよく言われているので、いよいよ定年が迫ると老後の資金が足りるかどうかと心配になるかもしれません。ですがもし「老後2,000万円」を持っていなくても大丈夫。代わりにお金を稼げるものを持てば生活はできます。
「老後2,000万円」に囚われすぎると
どういうことなのかを先によく調べてみればどうということはないのですが、一昨年6月以来この老後「2,000万円」という数字だけがわざと強調されて独り歩きしてしまったため、あたかもこれだけの額がないと生きられないと勘違いしてパニックになってしまった人も多いようなのですが、仮にもしこの老後2,000万円問題の報告書どおりに老後の生活費が毎月約5万円不足したとしても、何とかしなければならないのはこの約5万円だけです。
もっと前に発表された別の研究結果によると、老後「2,000万円」は多く見積もり過ぎで、消費動向を見ると毎月の生活費の大部分は年金収入でカバーできており、実際には毎月1万数千円くらいしかオーバーしない=「老後500万円もあれば十分だ」とあります。無くてもこの程度で済むのであれば、身体にはキツイかもしれませんが、何とかバイト的な労働で何とかなりそうな感じでもあります。
どちらが正しいにしても、年金収入だけでは若干飛び出てしまうようですが、月額平均として均してみれば、それほど驚くような額ではありません。にもかかわらず時々家計相談の例(AllAboutマネーの「59歳、貯金1370万円。昨年、離婚しました。老後を考えると不安しかありません……」など)を見ていると、定年近くになり(59歳)独り身で貯蓄が約1,300万円くらいしかないとなると将来が心配…という感じで、不安になる人が多いようです。
不安になるのはなぜでしょうか。おそらく、働いてお金を稼ぐ⇒使う⇒残りを貯める⇒また働いてお金を稼ぐ⇒使う…のサイクルを繰り返すだけで来たからです。歳を取ると、「働く」の起点の部分が弱るので、それを繰り返すのが少しずつ難しくなります。お金の入りの部分が弱れば、生きられなくなるのではないかと。
お金のプロたちもよくそういった不安を感じずに済むように、取り崩せるお金をもっと増やしておこう!的なアドバイスをしますが、言われたとおりに貯金を増やせない人も多いので、不安を取り除くどころか逆にそのアドバイスがさらに不安を大きくしてしまっているだけようにも見えます。
「取り崩せるお金をもっと貯め込んでおこう!」がなぜあまり有効でないのかというと、現金は何度も使えるものではないからです。一度何かをする・買うために使ったら、消えて無くなります。消えて無くなるものは、いくら多く貯め込んだとしても、それが減る・無くなることに対して不安を感じます。
減るのが怖い・無くなるのが怖い、となったらお金を使うことができないので、人生も楽しめません。そうなるとお金を持っていないのと然して変わりません。
現金の塊の代わりに稼ぐものを持つ
持っていてもいなくても変わらないのであれば、「現金を貯め込む」はあまり頑張らなくても良いということになります。
お金に関する心配を減らしたいのであれば、代わりにお金を稼いでくれるものを持てばよいだけです。
先程触れたの家計相談のケースでいうと、例え59歳でもう働いて得られるお金が少なかったとしても、手元には既に1,300万円もあります。これを現金で持っている限りは、他に何も収入源が無い状態となりますが、この現金をお金を生んでくれるものに持ち替えれば、お金に関する不安はあまり感じずに済みます。
このうち約半分をまず中古の戸建てなどの不動産3つに持ち替えて、賃貸市場に出し入居者が付くと(すでに就いている物件ももちろんあります)、毎月10万円近くの家賃を稼げます。
残り半分を高配当が付く株式に回すと、年利換算で4~5%の配当が付く銘柄であれば、月平均(実際には二つの月に集中しがちなので)で2万円近くの配当収入も得られます。手元に現金がないと心配という人でも、「現金に近いものも持っている」ことになるので心配はないはずです。
これらの副収入があり、さらに労働からの収入もあるのであれば、65歳までの間にさらにお金を稼いでくれるものを増やせます。歳を取ってから選ぶのは難しいかもと感じている人もいるかもしれませんが、オーナーで高齢の人は多く居ます。生きて居る限りはつねに何かを選び決めているはずですから、その延長戦でしかないので、特別に怖いことはありません。
実際両親もこういったものからの上がりだけで生活できていてどんな出費があっても手持ちが減ってはいないので、つまりは仮にもし現金の塊=貯蓄がゼロだったとしても、お金を稼いでくれるものさえあれば、十分に生きていけるということになります。
守る・しのぐのではなく、攻めて稼げば心配は要りません!