何かを防ぐために壁を作っておくことは有効です。でも作った壁のおかげで助かったとしても、崩れたら無防備になるので、また一から作り直しです。
その繰り返しだけで人生が終わるのは空しい気もしますが、「いざというときに貯蓄で何とかする」ということは、一生苦労し続ける道を選ぶということになります。
お金に関する不安を少しでも減らしたいのであれば、一度だけ助けてくれるものをたくさん積み上げるのではなく、長く助けてくれるものを増やしていく必要があります。
貯めるだけで終わるのは勿体ない
幻冬舎ゴールドオンラインの「5割の世帯が生活苦を実感…コロナ破綻する、一般世帯の苦悩」によると、すでに2019年の段階で生活が苦しいと感じる人の割合は5割を超えていたそうで、もともと貯蓄がほとんどないという世帯の割合も多かったため、今回のコロナ禍をモロに受けて生活が立ち行かなくなる人が多く出ることが見込まれるとあります。
こうした事態が長引いて仕事を失って無収入になるリスク等に備えて日頃から国が後押しをしている制度を活用してファンドを買い続ける等して貯蓄を増やしておくことが大事なのだそうです。でもそれだけでは、将来のお金についての不安は消せないかもしれません…。
数年前からブームとなっている積立投資は将来の「何か」に備える手段として人気です。ですがこれらは基本的にお金の塊を作るためにやるもので、「お金を稼ぎ続ける」方法としては機能してくれません。
もともとは老後に備えて引退時にそれなりの金額のお金を持つためにやるもので、働けなくなることにそれを取り崩して使って生活費などに充てることが前提になっているので、実質貯金とほぼ同じようなものと言えます。
早くから始めていれば、40歳くらいの時にはそれなりの額になっているでしょうから、今回のコロナ禍のような事態が起きて失業して、仮にその後何年も次の仕事になかなか就けなかったとしても、それがあれば退職金等と合わせて何とかしのげそうです。
でもその後何とか別の仕事に就けたとしても、まずはお金の貯め直しからの再スタートです。老後に備えてどころではなく、とりあえずは次いつ来るか分からない同じような危機に備えてです。
20代・30代であればキツイながらもその繰り返しもまだ何とか可能です。でもそのあとはどうなるでしょうか。年齢を重ねるごとにクビになりやすくなるし、貯める⇒取り崩す、を繰り返すのも難しくなっていきます。
同じ苦労を繰り返すのではなく、繰り返し使えるものを持つ
何歳になっても同じ苦労を繰り返す⇒それだけで人生が終わる、を防ぐためには、自分自身だけでなくお金にも働いてもらいお金を稼げるようにするしかありません。
現金は持ち主を一度だけ助けてくれますが、不測の事態というのはいつまで続くか分かりません。場合によっては事態が当たり前のものとなってしまうことも。そうなると、お金が尽きればおしまいです。
中古の戸建てや纏まった家賃が入る集合住宅などの不動産や高配当が付く株式等は、繰り返し使えます。 上がりを何か必要なものに充てるために使い続けたとしても、お金を生んでくれるもの自体は無くなったりせず長く頼れます。
今回のコロナ禍はたしかに将来について考えるいいきっかけになるかもしれません。まだ働く以外に何もしてこなかったのであれば、ぜひ何かを始める・別の方法に目を向ける機会として活かしてもらいたいところです。
お金を貯められるだけの意志の強さを持っているならば、もっと先に行くことができるので、貯めるまでに留まらずそこからもう一歩踏み出して、お金を稼いでくれるものの数自体をしっかりと増やしていきましょう。