高給をもらえるようになったからといって自分は選ばれし者と勘違いするとキケンです。いつでも簡単に吹っ飛ぶし、替えは他にもいます。
得られた待遇は「たまたま得られたもの」くらいに思っておき、まだそれがあるうちに、他に稼げるものをしっかりと増やしていきましょう。
出されて分かる実情
コロナ禍がなかなか収束しないこともあり、リストラが加速する雰囲気があるようです。現代ビジネスの「転職市場で「年収300万」を提示され絶句…年収1000万・50代社員の「厳しすぎる現実」」などには、40代・50代がターゲットになるとありますが、昨年のその他の大手やごく周辺で起きた事例からすると、早ければ30代からも出されてしまうので、基本的には雇われ一本で生きて居る限りは常に注意が必要です。
これまで間近で見てきたいろんな事例からすると、じぶんはクビにならないと自信を持っている人は多いように感じます。何が根拠になっているのかは分かりませんが、いつも自信ありげで、その職にあって当然という顔をしていたりしますが、突然クビを宣告されたことでパニックになったり、怒り出してしばらく誰かに当たったりする人もいました。彼らの多くは自分がクビになるとは思いもしなかったと言います。
でもどうしても必要と見られている人は実際には少ないようですね。働き手は組織の都合で簡単に切られてしまいます。自分がいなくなったらどうなるか、と思っていても残念ながらほとんどの場合は心配は必要ないようで、時間が掛かる・どこかに余計な負荷が掛かることはありますが、残る人たちが何とかしていつの間にかそれなりの形に戻り回ってたりします。
出された後に希望する仕事に何年も就けない・給料を半分以下に落としても次がなかなか見つからない人も多いとこれまでも何度か触れましたが、その理由が分かりました。
先程の記事によると、まず35歳時点で求人案件が半分になってしまい、その後は5年ごとに半減するので、40歳を超えたら希望の仕事にはまず就けないと思ったほうがよい、は本当だったようです。労働市場は元からそういうものだったのでしょう。今はその上にコロナ禍が重なり案件の数自体も少ないので、再就職がさらに難しいようです。
それなのに、まだ景気が良い頃に高給で迎えられたことで自分を選ばれし者と勘違いをしてしまったのか、入社後数年経ってから限界まで高額のローンを組み、給料はずっと安定的に入ってくるものと思ってしまい、ずっとぜいたくをしてきたという人たちは多くいました。
それまであまり付き合いが無かった人からも出されると決まった際に、色々やっていて詳しいと聞いたから助けてくれと言われたこともありますが、「元手はいくらあるか?」と聞くと、退職金(出るとはいってもローンの支払いに回すしかない)以外ほとんど何もないと言います。それでは何も始めることができず、助言のしようもありません…。
運よく何か合う案件があり、どこかに再就職できたとしても、中小の場合は年収相場は300~400万円台のようなので、生活レベルをそれに合わせるだけでは済まないようです。大きなものではまずローンを払い続けられなくなり、住まいを失うことになります。子どものための「いい学校」の学費にも困るようで。それまでのぜいたくが資産(=お金を稼いでくれるもの)にでもなってくれれば良いですが、思い出はほとんどの場合は何の助けにもなってくれません。
勤め仕事はいつでも無くなるものと思ったほうが良い
突然のクビによる無収入リスクへの対応策として、先程の記事中では起業・独立が勧められており、準備には年単位の時間が掛かるとありますが、働いて稼ぐ機会の確保という意味ではたしかに有効で、崩れ行くものの巻き添えにならずに済みます。ですが本人が働くという部分は変わらないので、仕事内容にもよりますが、自営に明確な定年はなくて付き合う人間も選べるとは言っても、基本的には歳を取れば仕事を取りづらくなる・体にキツつくなるのは同じです。何歳になってもずっと頼れるかというと、少し不安が残ります。
そうしたことから、無収入リスクに備えるのであれば、労働以外の手段で稼げるようにしておく=「働く」への依存度を下げておくとより安心です。「働く」から上がる収入は常に外からの影響をモロに受けてしまいがちですが、不動産や株式やwebメディアなどには安定的に稼げるものが色々あります。エッセンシャルワーカーが入居している、大きくは儲けられないけど実需が堅い事業に関わっている、それらを広めているもの等であれば、家賃や配当や広告料を稼ぎ続けてくれます。
給料が次の月も出るか出ないかは、勤め先の都合や環境次第ですから、親とお金だけでなく、仕事についても「いつまでもあると思うな」と認識しておいたほうがよさそうです。
まだ仕事があるうちにそこから上がるお金の一部を毎月必ず先取りで避けていき、ある程度の額になったらそれをお金を稼いでくれるものに持ち替える。それを着実に進めていきましょう。