以前、給料としての年収を誰かと見比べることにはあまり意味がない触れたかと思います。高くても低くてもいつでも簡単にゼロになるのは同じだからです。
それでもどうしても誰かと稼ぎを見比べたいのであれば、それぞれに堅い収入がいくらあるかを見ないと、差額には何の意味もないと思うのですが…。
それでも差額が気になる人は多く
一昔前までは、誰かと年収差がある=一生の稼ぎの額に大きな差が出る、の図式が成り立っていましたが、今は働き手は給料がいくらであっても簡単にクビにされてしまいます。コロナ禍が起きなかったとしても、この流れはすでに始まっていました。
給料が高ければクビになりにくいという利点でもあればよいのですが、残念ながらどちらかというとその逆で、コロナ禍が始まったばかりの頃は最初に非正規雇用の人たちが切られていたりしましたが、昨年すぐ周囲で目にした大量の人員整理から傾向を見ると、もらう額が高ければ高いで今度はコスパに見合った人間かどうかをより厳しく見られて人件費の高い人ほど先に切られてしまっているので、 無収入になるリスクは上がります。
それでも差額は差額だからということで気になってしまう人も多いからか、ダイヤモンドオンラインの「ANA「40歳・年収1000万円」から転落でJALと立場逆転の内情【世代別年収比較】」などでも、同じ業界内での年収差などに触れられていたりしますが、景気と強く連動してしまう業種ならなおさら見比べても意味はないんじゃないでしょうか…。どちらが強いか弱いかの時期に移り変わりがあっても、経済が止まったり景気がかなり悪くなり給料が減って苦しむのは同じです。
タイトルにある40歳・年収1000万円といえば働き手としてはかなり上のほうですが、今回のような事態あるいは別の形の経済危機が起きればずぐ大きく落ちてしまうし、景気や世界の情勢次第では低かったものが高くなることもあり安定しないので、現時点での多い少ないを見比べたりには意味がなく、これをもとに何かを予測するにはあまりに頼りなさすぎる数字です。
先程も触れたとおり元々コロナ禍とは関係なく働き手は早ければ30代で、40代・50代ならいつでもわりと普通に途中で切られてしまうという流れも大体決まっていて、これまでのように何十年も居られるような環境ではなくなってきてるので、年収などをベースに生涯賃金とかいうものを算出するといったことも、もうあまり意味は無くなりつつあります。将来いくら使えるかとか貯められるかも予測はつきません。
ですから現時点での給料の多い少ないを見比べてもあまり意味はありません。
それでも稼ぎを見比べるならば
そもそも人と見比べて何になるのかというところではありますが、それでも誰かと稼ぐ力や経済基盤の強さを見比べたいのであれば、それぞれが持っている労働ではない他の堅い稼ぎがどれだけあるかを見ればよいのではないでしょうか。
雇用はいつ吹っ飛ぶか分からず、働く機会が無ければ収入はゼロなので、もしもそれ一本しか持っていないのであれば、堅い稼ぎはほぼゼロということになります。勤めて働く以外のことは特に何もしていないという人は多く、今はそれぞれに差はあってもこれから先は40・50代でいちど年収が激減あるいはゼロにまで落ちる人も増えるので、本当の底堅さを見比べたら世の中全体ではゼロに近い人が多いということになります。
給料という不安定なものに対し、家賃や配当や広告料といったものを得られる収入源は、 景気と連動していなければ(=入居者がエッセンシャルワーカーであったり、投資先の事業あるいは紹介するモノやサービスが実需の堅いものであれば)、 突然無収入になるリスクは非常に小さいので収入は安定しています。多ければ多いほど経済的基盤は強いということになります。
仮に年収が1000万円と数字として同じであったとしても、給料として得るものと投資から得るものとでは、力強さが全くちがいます。身体にかかる負担も小さく、直接背負う責任も少なくて済み、しかもつぎ込む額次第で勤め先での昇給よりも速く収入アップを図れるので、大きな稼ぎを持つのに40歳まで待つ必要もないですし、定年もありません。現役でいる間のクビ対策になるだけでなく、老後対策としても強力です。
どれだけ安定しているか・本当に堅いのかを見比べるのであれば、不安定なものではなくこういったものがどれだけあるかを見ないとあまり意味はありません。