雇用が年々不安定なものになっていくのは、べつに今に始まったことではありません。コロナ禍が起きる前からすでに「もう一生面倒を見続けることは出来ない」「自動的・定期的な給料アップはムリ」とアナウンスされていたので、そうなっていくことは、前からほぼ決まっていました。
余程ひとより優れていなければずっとは使い続けてもらえないかもしれないので、じぶんはごく普通の人だと分かっているならば、少しでも早く、働く以外の収入源の確保を着実に進めておいたほうがいいかもしれません。
労働の未来
だれもが一生「働く」で何とかなればよいのですが、残念ながらそれは難しそうです。マネーポストの「 出井伸之氏「有能な人にお金を払えばいい。退職金も定年制も不要」 」によると、労働の対価は優れた人に多めに分配されるべきものとあります。
人を雇う側にしてみれば、もっともなことです。コストでもあり売り上げを生むための投資でもあるので、払った分に見合った働きをしてくれるかを厳しく見るのはある意味当然です。でもそれが浸透していくと、多くの人は切られてしまいます。
業種にもよりますが、若い時はそれなりに働けても、歳を取るにつれてだんだんと新しい技術について行くのが難しくなるし、感覚が鈍り成果を出しづらくなる人も出てきます。
今まではそういう人たちにもある意味お情けのような形で置き場が用意されて分け前が与えられていましたが、徐々にそれがなくなりつつあります。
そうした動きが加速すると社会保障費も膨らみ国も困るということで、企業などに労働者の70歳までの雇用延長の努力義務を課す「70歳定年法」が制定されましたが、先程の記事によると、それをやると若者の雇用機会を奪うことになるので間違いだとあります。長期で見れば国全体の老化がさらに進んでしまうので、確かにあまりよくはありません。
競争環境も厳しくなってきているので、それにまともに付き合ったらじぶんたちが生き残れないと言わんばかりに、大手各社も昨年先手を打って40代以上の人員を大量に整理し始めて、将来の雇用義務負担を軽減し始めています。なので70歳定年法は早くも形骸化しかかっているようにも見えます。
製薬会社などの例を見ると早ければ30代で出されるし、40・50歳なら割と普通に突然出されてしまっているので、65歳での一旦の定年後の収入を心配するどころか、多くの人が当てにしているであろう退職金にも頼れない状況となりつつあります。出されるときに退職金が支給されても、退職後は何か大きな出費が発生すればとりあえずそれでまかなうしかなくなるので、引退する頃までには使い切ってしまっている人も多いはずです。
一方で出井氏がいうとおり何かに優れた人であれば年齢に関係なく雇用され続けるケースも増えているので、 ごく普通の人にとってはこのように「働く」は一生安定的にお金を稼ぎ続ける手段・大きなお金の塊を得るための手段としては、機能しなくなってきています。
人手不足の業種もあるので、働く機会が完全になくなるということはないとは思いますが、キツかったり条件が良くないからこそ人手が足りていないものも多いので、ずっとそれをやり続けてやっと生きていくというのも過酷そうです…。
他に稼いでくれるものを持つ
「働く」だけに頼れない状況で、それでも長期で安定した生活を送るためには、働く以外の収入源を持つしかありません。
たとえば不動産や株式などであれば、持ち主の雇用や健康状態とは無関係にお金を稼いでくれます。○○歳になったからもう辞めろとか言われることはありません。病気にかかったとしても、一度軌道に乗っているものからはお金は入り続けるし、自分が直接経営や管理をするわけではないので普段はあまり手も掛かりません。
まだ何も始めていないというのであれば、まずは毎月数万円を必ず先取りで貯金して投資の種銭を作るところから始めましょう。ある程度の額になったところでお金を生んでくれるものに持ち替える⇒貯金を続けて上がりも全て再投資することで、さらに数を増やしていく、を続けていけば、いつかは本業の勤め仕事と同じくらい稼げるようになるかもしれません。
まだ時間が足りなくてそこまでたどり着けなかったとしても少なくとも「突然クビになっても生活費の大部分を稼いでくれるので、あとは自分が少しバイトでもすれば何とかなる」ところまでは行けるようになるでしょう。
「働く」とはちがって、これを実行するために学歴や特別な才能や資格等は必要ないですし、「働く」の世界に留まり続けることよりも難しくはありません。