マネー&ライフ

収入減やクビに備えるのであれば

労働者がいつでも突然クビになることもあり得るということくらいはもちろん頭では分かっているものの、それでもじぶんは大丈夫と思っていた人は昨年初めくらいまでは多いんじゃないでしょうか。でもコロナ禍の影響で突然の雇用打ち切りに関する報道が増えるにつれ、「雇われ一本はヤバい」の意識も少しずつ浸透し、何かを始めたという人も増えてきている様子です。

ただ、突然の収入減やクビに備え始めたとはいっても、大半の人は労働の延長までに留まっているので、それだけでは実はあまりリスクや苦労などを減らせません。まだ本職があって、副業の仕事ができる間に、自分の代わりにお金を稼いでくれるものを増やしていくとよいでしょう。

労働にはずっとは頼れないので、副業を足掛かりにしていこう

コロナ禍の影響はかなり大きかったようです。DIMEの「会社員500人に聞いた既にやっている収入を増やす工夫TOP3、3位不用品売却、2位資産運用、1位は?」によると、コロナ禍が始まった昨年収入が減ったという人は実に約3割もいるそうで、それをカバーすべくもしくはこれからの収入減に備えて何かを始めているという人も約4割もいるそうです。

ですがその「何かを始めた」の内訳を見てみると、副業が約53%と一番多く、資産運用をしている人が約45%、不用品などを売却して一時的に収入を増やしてしのいでいる人が約41%とあることから、大多数の人たちは、普段の業務に近い内容の仕事なのかそれとも全く別の職種なのかは分かりませんが、とにかく本職と同じように「自身が働く」ことで何とかしようとしているようです。

資産運用も一応2位につけてはいるようですが、投資をしているとはいっても他の意識調査等でも「実際に株式や不動産などに投資をしている人は少ない」との結果が示されていることから、ここでいう資産運用のほとんどもおそらくは、現金の塊を作り何かがあった時(例えばクビ)にはそれを取り崩して何とかする的なファンドのようなもので、定期的に収入を得るといういわゆる王道の投資のことではなさそうです。

労働系の副業は自身のスキル以外には元手がほとんど掛からず手っ取り早く始められることから、収入減を補ったり将来のそれに備えたりする手段としては有効です。

ですが、自分自身が働かなければ収入を得られないという点は、本職での労働と変わらず、働けば当然そのぶん疲れます。ですのでこれにずっと頼り続けるのは少し難しいかもしれません。

まず気になるのは時間と負担についてです。本職で収入が減った分だけ拘束時間が短くなれば良いですが、残念ながらそれほどやることや拘束時間が減らないにもかかわらず収入だけが減ってしまったケースも少なくないようで、それをカバーするためにダブルワークをする場合は、正副合算での収入レベルを維持できたとしても、身体には余計な負担が掛かります。そうした状態が長く続けば健康を害するリスクも上がります。

もう一つは年齢についてです。習得が難しい専門知識やスキルが求められる分野なら別ですが、そうではないものであれば歳を取るごとに仕事を取るのも少しずつ難しくなり、得た仕事をこなすのもキツくなっていくのは変わりありません。細々した案件を多く請け負って一生食いつないでいくというのも中々大変そうです。

労働以外の収入源を持つ

そうした苦労を少しでも減らすには、どうすればよいのでしょうか。

本業+副業で働いて収入があるうちに、その上りを少しずつ投資に向けて、自分の代わりに働いてお金を稼いでくれるものを少しずつ増やしていけばよいのです。

毎月数万円程度でよいので必ず先取りで避けておき、投資用の種銭を作ります。ある程度の額まで貯まったら、それをお金を生んでくれるものに変えます。その後も先取り貯金を続け、投資からの上がりも再投資し続けることで、資産を増やせるスピードも上がります。資産が増えれば収入も増えるので、長期で続ければ、いつかは本業の稼ぎを上回ることだってできます。

投資をして手にした収入源は、基本的に持ち主の状態と連動していません。持ち主がクビで無職の状態であろうが、例え病気であろうが、不動産は入居者が住み続けてくれれば、株式やサイトは景気と連動せず実需の堅いモノやサービスに関わっていれば、持ち主がどういう状態にあるかに関係なく家賃や配当や広告料を稼いでくれます。

せっかく雇われ先にずっと頼り続けるのはキケンと気付き、自分から動いて他の収入を確保するところにまで辿り着いたのであれば、そこからあと一歩だけ進み、お金に働いてお金を稼ぐところまで行きましょう。労働以外の収入を着実に増やしていけば、突然のクビも怖くは無くなります。

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