退職金制度。 まず勤め先によっては制度がないところもあるので、気になる方は入る前に確認をしておいたほうがいいかもしれません。
退職金といえばこれまで引退する人が手にする大きな現金の塊というイメージがありますが、そのイメージとは裏腹に一昔前と比べると大幅に減ってしまったようです。
老後生活のためにこれを頼りにしていた人たちにとっては大きな痛手ですし、そもそも退職金制度がないところもあるのでその人たちはどうすればと思うかもしれませんが、あまり心配はありません。
現金の塊がなくても稼げるものを持てば、老後の安心は得られます。
退職金の支給額が20年前と比べると1,000万円以上もダウン
Trillの「退職金はピークだった20年前と比べて1083万円も減っている?」によると、1997年に定年退職者に支給されていた2871万円だったのに、2018年にはそれが1788万円までダウンしたそうです。
この差額だけで、昨年6月に騒がれた老後2000万円問題の半分=「老後の毎月の生活費不足分として約4~5万円×12ヶ月×余命15年分」くらいはまかなえたはずなのに…と残念に思ったり、前の世代と比べると冷遇されていると感じる人もいるでしょう。
たぶん今までの人たちがたまたま運が良かっただけかもしれません。「退職金がたくさんもらえる」は元々どこかに新卒時から定年まで勤め上げることができたらという前提条件がありますが、今はこれを満たすのが難しくなってきています。
どんなに優秀であろうがなかろうが、ある程度の年齢に達したら何かと理由をつけられて同じ世代ごと一斉に出されてしまうことも普通に起きています。長くしがみつきたくても居させてもらえません。移りたくなくてもそうしないといけなくなるのが普通になりつつあるので、退職金の支給額の平均はさらに下がっていくんじゃないでしょうか。
転職者が多いところでしか勤めた経験がないこともあって、余計にそう思ってしまうところはありますが、とにかくこれからはこの退職金に頼るのは難しくなります。 冒頭でも触れたとおり「そんなもの出ないよ」という人もいるので、少なくてももらえるだけまだマシかもしれません。
現金の塊があったとしても、失うのはとてもかんたんです。例えば年間の生活費が400万円程掛かるまだ現役の人であれば、職を失って退職時に2,000万円ほどもらったとしても次の仕事を得られなければ、5年で全額が尽きてしまい、手元には何も残りません。
退職金も出なくて、手持ちの現金がゼロに近かったとしても
ですが代わりに長い時間をかけて、合計で同じ2,000万円ほどを掛けて、お金を生んでくれるものを買い続けていたとしたらどうなっていたでしょうか。
株式では高配当でも難しいにしても、不動産であれば中古は利回りが高いので、毎年の生活費400万円分を稼ぐことはできます。
上がった家賃や配当を使えば、お金が消えてなくなることには代わりありません。でも元手を見てください。同じお金を使うにしても、不動産や株式自体はそのまま残ります。そして持ち続けてメンテ(リフォーム、リバランス、リニューアル等)することで、お金を生み続けてくれます。
現金の塊を持っていても、使えばなくなるだけですから、いくら積んでも安心できません。現金の塊を持ち、それを取り崩して生きるつもりでいても、予期せぬ長生きをしたら足りなくなってしまう可能性もあります。それに減るのが怖くなって使えなくなれば、実質もとから何も持っていなかったのと変わりません。
減ったぶんを働いてどうにかしようにも、歳を取っていればつける仕事も良いものは少なくてキツめです。
退職金というお金の塊がもらえないとしても大丈夫。
出ないもしくは少ないとわかっていれば、時間をかけてお金を生んでくれるものを増やしていけばよいだけで、手持ちがあと いくら残っているのかをあまり心配せずに生きられます。