お金についての不安を無くすための方法のひとつとしてキャリアアップが勧められていたりしますが、あまり効率的・効果的ではないかもしれません。頑張って自分を鍛えて運よくいいお仕事に就ければ、その職に就いている間はいいお給料をもらえるますが、給料が増えても実はそれほど経済的な余裕は持てないようですし、何より一番の問題は、給料が幾らであろうが、クビになったら一気に無収入になるリスクが常に残ったままという点です。
維持費が掛かり過ぎて非効率?
投資の世界でもある程度は変化に対応し続けていく必要がありますが、自分が最前線で動き回るわけではないので、それほど大変ではありません。
ですが労働の世界では働き手として使い続けてもらうためには技術革新などの変化に常について行かなくてはなりません。ついて行けなくなると、良くて収入減、最後はクビとなってしまいます。ついて行きさえすればお金をもらえるのであればまだよいものの、業界自体の環境の変化が速すぎて、職種自体が無くなってしまうこともあります。
例えば東洋経済の「 高給取りの「製薬営業」が大量にクビにされる訳 ピークから1万人減、コロナ禍で過剰体質も露呈」 によると、製薬業界では急激な変化が起こり、MRが大量に解雇され始めているようです。MRは働き手の中でも高給を得られる職種として知られていますが、コロナ禍により人との接触機会が減っているにも関わらず売上への影響が少なかったことから、これをきっかけに大量に人員を整理して人件費の削減を進めているようです。
職を失うことになった人たちも、これまでもその職に就き続けるためにかなりの時間と労力とお金をつぎ込んできたはずですが、それを使って稼ぎ続けられなくなると大きな痛手です。
どこか一社だけがそういう状態にあり、他に移れる先がたくさんあるのであれば、それまで費やしたものが無駄になることはありませんが、職種自体がなくなりつつあるような場合は、どうにもなりません…。同じ業界でそれまでの経験を活かせる分野が何か見つかることもあるかもしれませんが、高給を得られる可能性は低いでしょうし、40代・50代であれば、全く別の他の仕事に就いて再出発するのも大変です。
今はこのようにMRでなくてもどの職に就いていても、雇われ続けるというのが難しくなってきていて、 また、稼げるといわれていた国家資格が必要とされる職に就いていても機械に代替えされつつあったりと、働いて高給を目指す戦略はあまり効果的・効率的ではなさそうです。
自分の代わりに稼いでくれるもののために時間とお金を使うと
キャリアを積んで収入アップを図る方法を取る代わりに、不動産や株式やサイトなどを積み上げていくとどうなるかというと、投資でお金への不安を無くそうとする場合にも、労働と同じように長い時間とお金と多少の労力が必要になりますが、勤め仕事を頑張るよりは経済的な基盤が安定します。
不動産や株式やwebメディアにも無収入リスクはありますが、すぐに次に生かせる・再度稼げる可能性が高いという点が労働と大きく異なります。不動産は空室になることもありますが、稼げるもの自体が消えて無くなるわけではありません。また貸せば家賃を稼げるので、次ぎ込んだ修繕費も資産として活かされます。株式も例えばNTTドコモのように買い戻されてしまうこともありますが、積んだ知識は他の銘柄選びにも活かせるし、選んで買いなおした銘柄がまた配当を生んでくれます。サイトも圏外に飛ばされてしまうことがありますが、再構築してコンテンツ自体とキーワード選定などの知識を活かしてまた広告料を稼ぐことができます。
労働の場合は、積んだ頑張りは基本的に勤め先のものとなってしまうので、どこかでそれを再利用して半ば自動的に稼ぐといったことができません。生身の本人自身が物理的に働く機会を与えられなければ、お金を稼げません。
お金についての不安を和らげるには、もともと不安定なもので上を目指すよりも、持ち主が職を失っていようが病気であろうが関係なくお金を稼ぎ続けてくれるものを増やしていくほうがもっと効果的です。労働を足掛かりにして、少しずつ外からの影響を受けにくく安定的に稼いでくれるものを増やし、経済的な安心を築いていきましょう。