一番の老後対策は何か? 週刊朝日の「シニアこそ”年金が減らない”「自営業」のすすめ とっておきの制度とは?」によると、フリーランスとして働きながら年金をもらうのがいちばん有利らしいのですが…、それよりも負担が軽く安心と思われるのは、お金を稼ぎ続けてくれるものを持つ+年金をもらう、の組み合わせです。
まずは年金収入をしっかり確保しつつ
社会保障が持たないと頻繁に言われていることもあって、将来の収入源について不安を感じている人も多いかと思いますが、老後の収入を確保するにあたっては、それでもまずは年金保険料を払っておくことが基本となりそうです。
年金についてはよくいずれもらえなくなるとかギャンブルみたいなものと言われていたりするのですが、毎年の給付総額約55兆円は国庫負担半分と納められた保険料でほとんどまかなわれていて、これまで積んだ積立金の規模も160兆円と十分に有って、 年によって積立金の取り崩しが発生したとしても数兆円程度におさまっているので、そこそこ堅いようです。
少子化で担い手が減っていることから将来少し受給額が減らされることはあるかもしれませんが、先程触れた積立金の額や給付の状況等を見るかぎりでは、それでも一応はメインの収入源としては機能し続けて、老後の生活費の大部分はカバーしてくれそうです。
ただ、このままで行くと将来はさすがに今のように年金だけで生活する(*年金機構のパンフレットによると、今現在引退生活をしている人(65歳以上の)の51.1%の人たちは、年金のみで生活できている )のは難しくなるかもしれないので、何かしら別の収入源を確保しておく必要がありそうです。
働くのが一番堅い?
冒頭で触れた記事によると、経済的に老後の安心を得るには、定年後も働き続けることがベストな選択だそうなのですが、働くにしても損にならないように注意が必要なようです。
なぜ損になるのかというと、定年後に引き続きどこかにお抱えとして雇われ続ける=引き続き厚生年金に加入しなければならない場合は、現行の制度では、給料と年金を合わせた額が、 60~64歳では毎月28万円を超えた部分、65歳以上の人は毎月47万円を超えた部分について、その半額が厚生年金から減らされてしまい、減らされた分が戻ってくることはないからだそうです。
そのため、一番のおススメはお抱えとして雇われ続けるのではなくフリーランスとして仕事の受注して稼ぎ続けることらしいのですが、実際そうなれるのは余程優秀な人でなければ難しいかもしれません…。
人生100年時代とかいうものが提唱されて、老後も働き続けられる環境を整えるべく70歳定年法が制定されたりといった動きはあるのですが、それに対して、雇う側は反対に少しでも人件費負担(将来の分も含めて)を減らすべく、もっと若い30代後半や40歳以上を対象に人を大量に整理し始めているくらいですから、いくら保険料負担をしなくてもいいフリーランスとはいっても、高齢であれば、かなり安めにでも受けない限り仕事はもらえないんじゃないでしょうか…。
それに、高齢=パフォーマンスが怪しいのイメージはどうしても付きまとうので、本当にできる人でも、個人事業として仕事を得続けてビジネスを軌道に乗せるのは難しそうに見えます。
しかも実際に60歳以上で働き続けるのは、体にもキツいようです。
お金に働いてもらいお金を稼ぐ
では「働き続ける」が難しければどうすればよいのかというと、生身の自分自身以外のものにお金を稼いでもらえばよいのです。
例えば不動産や株式などは、持ち主が何歳であろうが関係なく家賃や配当を稼いでくれます。いつ始めるかいつ止めるかは自分で決めることができ、何に関わるか・誰と関わるかも自分で決めることができるので、人間関係のストレスなどもありません。
株式の場合はもともと自分自身が直接経営に関わるわけではないので手が掛かりませんし、不動産についても賃貸市場に出してからその物件に入居者が付けばあとはほとんどやらなければならないことはありません。
税務申告に多少手が掛かるにしても、働くキツさに比べればその程度何でもありません。これらからの稼ぎの規模が大きければ、人に頼むこともできます。
労働の場合は、まず働く機会を与えられて、しかも自身が働かなければ対価を得ることができませんが、これらの収入源は自分がどのような状態にあろうがお金を稼ぎ続けれくれますし、現金ではないので、稼いだ分を使っても、消えて無くなるようなこともありません。繰り返し使えます。
「稼いでは使い、また働く」の繰り返しでは、いつまで経っても楽にはならないし、仕事があるか・働き続けられるかは予測が難しいので、安心も得られません。
老後をそこそこ経済的に幸せに過ごすためには、まずは年金保険料をしっかりと納付して将来年金を受給できるようにしておき、その上で、自分が働く以外の収入を確保できるようにしておくと、安心で体への負担も少なくて済みます。 年金に加えて、「少し足すだけで何とかなる」のであれば、実は金額的にも無理な投資も必要ありません。