社会に出たての頃は、年金なんて本当に将来もらえるかどうかも分からないので保険料を納めないという人によく会うことがありました。彼らもその後就職をして納めるようになっているとは思いますが、中にはそのままの人も居るかもしれません…。
ですが実際に引退生活をしている人の主な収入源として機能してはいるし、色々数字を見るかぎりでは将来もある程度は頼りになりそうなので、払っておいたほうが良さそうです。
頼りないとか言われてはいるが、そこそこ頼れそうな…
所得代替率が下がっていたり、受給の開始年齢の引き上げが検討されていることもあって、年金なんか信じられないあるいはお金がないので払えないという人も居るかもしれません。社会に出たての人たちであれば、今の年金生活者の人たちと比べると自分たちの世代は損をしそうだと感じるかもしれません。
たしかに人口構造が変わってきているのでどうしても受給額は少し減りそうなで今の現役世代が納める保険料に対しての見返りは少なく、今の年金生活者の人たちと比べると損に見えてしまうところはありますが、ある程度はそれでも老後のメインの収入源として機能してくれそうです。
積立金のプールの額を見てみると総額約160兆円と世界でも1~2位の規模ですし、毎年の年金支給額55兆円のほとんどは国庫負担と納められた保険料でまかなわれているので、年によって積立金の取り崩しが発生するにしても数兆円くらいなので、言われているように近々に破綻するようなことはなさそうに見えます。
一時期は未納率が30%以上で崩壊寸前とか騒がれたことがありますが、でもそれはあくまで国民年金の部分に関してのみで、働く人たちの給料から「自動的に」徴収される2階建ての部分は分厚く、全体的に見れば納付率は非常に高いので、騒がれているほどスカスカな状態ではありません。
それに年金の受給資格を得るのも最短で10年で一応可能で、例えば大学在学中に納めていなかった保険料を追納したい場合はそれがしやすくなっていたりと、以前と比べると少し受給しやすくなった印象もあります。
またふだん健康で居ると忘れてしまいがちですが、 受給するにあたって条件を満たしている必要はあるらしいものの、年金はケガや病気への保障にもなるし、亡くなった時には遺族への年金も支給されるため、老後だけでなく現役でいる間の保険として頼れる部分もあります。
主な収入源として機能し続ける?
実際どれくらい頼れそうなのかを調べたところ、幻冬舎ゴールドオンラインの「年収500万円で月14万円…?直視すべき「将来の年金受給額」」によると、例えば年収500万円の人が規定の期間保険料を納め続けた場合は、将来毎年約175万円=毎月14~15万円支給されるとあります。
それに対して総務省統計局の家計調査報告( 平成29年(2017年)平均速報結果の概要 ・p38)には60歳以上単身者の毎月の生活費は「 60歳以上の世帯は148,358円となった 」とあるので、物価の水準や支給額がどうなるかというのはありますが、普通に暮らしていれば一応は支給される年金で生活費のほぼすべてをカバーできることにはなります。
これなら少し足りなかったとしても、これであれば中古の戸建てなどの不動産を一つあるいは高配当が付く株式を240~300万円分くらい持てば、毎月平均で1~3万円稼げるので十分に何とかなりそうですね。
時々もしこれを自分で運用出来たらといったことも言われてたりもしますが、すでに払い込んだ部分は納め過ぎた部分しか帰ってきませんし、もし選べるのであれば、投資以外の収入も何かひとつあればあるで助かるはずです。
それに正直者が馬鹿を見ると言われている部分について、財政が苦しくなればあちらの給付水準も下げられるかもしれませんよ…。まっとうに生きてきた人の場合は全然別ですが、いつまでも生きる権利を盾にズルくというのは難しいかも。
70歳定年法が制定されて、受給年齢の引き上げが時々議論に上がっても、70歳からとはっきり打ち出すのは反発が大きすぎてなかなか難しいところもあり、将来受給額が下げられたとしてもそれなりの収入にはなるので、年金保険料はできれば払っておいたほうが良さそうです。