目立つ憧れの存在になることは、やっぱり損なのかもしません。給料として年収1,000万円プレーヤーは働き手の中でもあこがれ・目標とされることが多いですが、なったらなったで実際には苦しいようです。
目立つものはいろんなものに狙われやすいので、目立たないものを目指したほうが何かと有利なのかもしれません。
多ければ多くなるほどキツくなり、リスクも上がる
大抵、給料の多さは仕事の難易度やキツさや拘束時間あるいは責任の重さなどに比例しています。
一方で、それ以外の収入の場合は、稼ぎが増えても責任やリスクはそれほど増えません。それにじぶんの代わりに動いてもらう仕組みになっているので、拘束時間が増えることもありません。
税制に振り回される心配も少なくて済みます。給料以外のものについては、「年末調整」のように誰かがまとめて徴収を代行してくれるようなシステムが無くて、税金を徴収する側にしても細々としたものの確認に手間を掛ける必要があったりと元々面倒くさいところがあるがゆえに、これらについては税率やルールを不利な形に変えられにくいという強みがあります。
株式ならどんなに稼いでも分離課税で税率は一律で個人なら20%・法人なら15%、不動産やサイトなど事業なら減価償却やそのほか経費として稼ぎから差し引けるものが多く揃っていたり、それがさらに拡充されることはよくあっても、不利な感じに大きく変えられることはほとんどありません。
でも給料はちがいます…。経費扱いとして最初に控除される部分はありますが、そのほかの収入の申告のように、経費として認められるものは保険料や医療費など以外にはほとんどなく、そのまま課税されてしまうので元々不利ですし、ルールが頻繁に大きく変わって、ほとんどの場合は負担増になります。
ダイヤモンドオンラインの「年収1000万円、大台達成でも「バラ色」とはいえない理由」によると雇われで年収1,000万円だとしても納税面では不利で、ここ最近続いた増税策等を受けて、年収1,000万円の人の手取り額はさらに1割程度減っており、また、これはもともとではありますが、給料が多いゆえに公的な補助が薄かったりします。
また、家賃や配当や広告料の場合は、稼ぎが増えたとしてもそれに比例してリスクが上がるわけではなく、 じぶんとは無関係の案件についての誰かの失敗の責任を背負わされるようなこともありません。何に関わるかも自分で決めることでできるので、背負う責任も限定することができます。
だれかに勝手にパフォーマンスを評価されて突然辞めろとか言われるようなこともまずありません。 いつ始めるか、いつ止めるかを決めるのは自分自身です。
雇われ一本で生きていると、景気の動向の影響をモロに受けてしまいがちです。不況下で一番コワいのはクビですが、何とかクビにならずに済んだとしても、給料を下げられて生活が苦しくなる人が続出します。
先程の記事によると、給料としての年収が高ければ危機に強いのかというとそうでもないらしく、勤め先の経営が苦しくなれば給料を2~3割くらいは簡単にカットされてしまうようです。
給料減については年収1,000万円ではない人も含めてですが、そのほかAbemaNewsの「コロナで2割が「月給減った」平均10万円減」等にも、日本生命が数万人規模のサンプル調査を行ったところ、今回のコロナ禍の影響を受けて給料が減ったという人の割合は約2割いて、給料が減った額も平均すると月額10万円にもなり、その主な原因としては残業が減ったことやリモートワークの導入による影響によるとあります。 リモートの推進は、今回の事態を機に生活残業もひっくるめて全体的に人件費を抑えようという意味合いもあったかもしれませんね。
これだけの危機下にあって「逆に7割以上の人が収入が減らずに済んだのが意外」という見方もあるようですが、今回の調査は月収だけを対象としているようなので、もしボーナスが減ったかどうかも調査に含まれていたとしたら、収入減となった人は2割程度では済まなかったでしょう。
賞与や給料をカットされたくらいで済めばまだマシかもしれません。今はそれどころか、以前も触れたとおり非正規雇用の人たちだけではなく年収1,000万円であっても希望退職とかではなく突然クビになるようなことが起き始めています。
給料が高いゆえに払った分に見合っているかどうかを厳しく見られるため仕方がないことなのですが、40代以降で突然職場を出されてしまうと、再就職先を見つけるのは大変です。周りでも昨年職を失った人たちからは、特に今はコロナ禍のせいで「いい案件」はほとんどなく中々次が見つからないと聞きます。
格好いいように見えても、働く機会を失ったら一気に転落してしまいます。
働く以外の収入源の場合、 どういう事業をやっているか、何に投資をしているかにもよりますが、景気が悪くなったとしても必要とされるものであれば、あまり稼ぎは減りません。
給料よりもそれ以外のものが有利
便利な仕組みが整っている中で、目立つところで格好いい存在を目指すと、このように損をしてしまいがちです。
同じ年収1,000万円でも、給料以外のもので年収1,000万円ならば、ここまで厳しさにさらされたりはしません。
目立たず、それに地味ですが、ちょっと手間を掛けるだけで長期で自分の助けになってくれるものを築けます。しかも少し手が掛かるとはいっても、勤め仕事でよくある意味のない苦労ほどはキツくないレベルです。
探す・調べる・決める・お金を準備するといった、じぶんに実益が有るやりがいのある多少の苦労であれば、 いくら頑張って積み上げても他人のものになってしまう勤め仕事よりも頑張る価値はあると思うのです。