資産運用などの目的で、暗号資産(仮想通貨)の投資を始めてみようと考えている方もいるかもしれません。その時に気になるのが、暗号資産の市場規模ではないでしょうか。通貨の種類は非常に多く、それぞれ市場規模も大きく変わってきます。今回は暗号資産への投資を考えている方に向けて、各種通貨の市場規模について詳しく解説していきます。
主要な暗号資産(仮想通貨)の市場規模はどの程度?
・ビットコイン
ビットコインは2008年に公開され、2009年から稼働を続けている人気の通貨です。第三者の仲介者が存在しない、非中央集権型のシステムが話題になりました。暗号資産の先駆けとも言える銘柄で、数ある通貨の中でも真っ先に候補対象になることが多いのです。暗号資産の中心になっているビットコインは市場規模も大きく、2020年9月時点で時価総額は約20兆円となっています。暗号資産の時価総額の合計が約36兆円となっているため、暗号資産全体の60%近くをビットコインが占めていることになります。
・イーサリアム
イーサリアムは、2015年に登場した通貨です。ビットコインに次いで人気のある暗号資産で、2020年時点で市場規模は2兆5000億円を超えています。2兆円というのはデジタル資産を含まない時価総額となっているため、エコシステム全体の時価総額で考えると5兆円を超えるとも言われています。1日あたりの決済額では、ビットコインを上回ったこともあるほどです。そんなイーサリアムは、スマートコントラクトと言われる独自の機能を持っています。スマートコントラクトとは契約を自動執行する機能のことで、設定した条件を満たすと自動的に契約を実行します。改ざんされるリスクが少なく、安全性が高い通貨ということでも注目を集めています。
・リップル
リップルは、分散型台帳技術を利用した通貨です。ビットコインなどで使われているパブリック型のブロックチェーンとは違い、バリデーターと呼ばれる人達によって検証が行われ、取引が認められることで合成形成を図る仕組みになっています。リップルの特徴は処理速度の速さで、決算処理にかかる時間は最短で4秒ほどです。この決算処理の速さから、ブリッジ通貨として利用しやすい暗号資産として期待されています。人気も高く、時価総額は2兆円を超えています。
・ビットコインキャッシュ
ビットコインキャッシュは、2017年に誕生した通貨です。ビットコインと似た暗号資産で、基本的な使用はそれほど変わりませんが、ブロックサイズの上限が8MBと大きくスケーラビリティに優れているという特徴があります。DMM BitcoinやCoincheck、bitFlyerなど様々な取引所で取引されています。市場規模に関しては、時価総額で100億円程度です。
・ライトコイン
ライトコインは2011年に登場した通貨で、ビットコインのソースコードを用いて開発されました。ブロック生成時間が短いという特徴があり、時間にして約3分程度です。決済スピードに優れている上に、発行上限枚数が8,400万枚と多いということで人気があります。時価総額は2020年時点で2兆円を超えています。
なぜ暗号資産の市場規模は大きくなっている?
・通貨を利用できるお店が増えている
暗号資産が登場した当初は、送金をするための通貨として設計されていました。しかし、仮想通貨とされていたものを資産として持つ人が増え、ビットコインなどを支払いに利用できる飲食店やショップが多くなってきたというのが、暗号資産の市場規模が大きくなっている要因の1つです。他の電子マネーと同じように、今後暗号資産による支払いに対応した店舗が増えれば、市場規模もさらに拡大するのではないかと予想されています。
・セキュリティが向上している
暗号資産は現金とは違い、目に見えない資産ということで安全性に対して不安を感じる人が多くいました。けれども、取引記録を改ざんしにくくするためのプロテクトや、新しい暗号技術などが開発されるなどし、暗号資産のセキュリティは年々向上しています。海外への送金も素早く、安全に行うことができるということで暗号資産を利用する人が多くなっています。このように、セキュリティが向上し、不安なく利用できる環境が整ってきたというのも、暗号資産の市場規模が大きくなっていることに影響しています。
・通貨の種類や取引所が増えている
暗号資産が広がり始めた当初はビットコインが主流でしたが、イーサリアムなど様々な通貨が登場し選択肢が増えています。さらに、DMM BitcoinやbitFlyerなど、暗号資産の取引所も多くなっているということで、誰でも気軽に各種通貨の取引ができるようになりました。暗号資産の需要が高まり、それに対応できる環境が整ってきたというのが市場規模拡大の大きな理由の1つです。
暗号資産の選択肢は増えている!自分に合った通貨を見つけよう
ビットコインやイーサリアムなど、暗号資産の種類は年々増加しています。通貨によって決済スピードはもちろん、市場規模も大きく変わってきます。暗号資産の投資を始める時は、どの通貨を選ぶかも重要なポイントです。どのような通貨があるのか、それぞれどのような特徴があるのかを理解し、自分の投資目的に合った暗号資産を見つけましょう。