厚生労働省は、フリーランスで働く人たちの保護を強化するため
俳優などの芸能従事者やアニメーターなどのアニメーション制作従事者、柔道整復師として働く個人事業主について、
労災保険への加入を認める方針を固めた。
現在は建設業の一人親方などが対象の「特別加入制度」を適用。
今後、省令の改正手続きを経て来年度に導入するそうだ。
政府が多様な働き方を推進する中、フリーランスは増加傾向で462万人との試算もある。
雇用されていないため、労働関係法令が適用されず、新型コロナウイルスの感染拡大でも
十分な収入補填が受けられないなどの課題が表面化している。
政府は仕事で怪我や病気になった場合に補償が得られるよう、労災保険の適用を検討していた。
政府の統計によると、芸能従事者の人口は約21万8千人、柔道整復師は約7万3千人いる。
アニメーターは業界段階の推計で約1万人いるとされる。
厚生労働省は現時点で、このうち計約1万5千人の特別加入を推定している。
労政審の部会ではこれまで、3業種の業界団体を招き実態を確認した。
仕事が原因とみられる傷病として、芸能従事者がのどのポリープや椎間板損傷。
アニメーターは長時間同じ姿勢で作業を繰り返すことでの腱鞘炎。
柔道整復師は無理な体制での施術による腰痛が多いと報告された。
特別加入制度は建設業の一人親方など、働き方が労働者に近い人を対象に
労災保険への加入を任意で認めるもので、2018年度末現在、約190万人が加入しており
業種ごとの特別加入団体に申し込み、自身で保険料を払えば補償が受けられるとのこと。
多種多様に働くこの時代に、
雇用されている人だけが特別待遇を受けれるというのは、もう終わりかもしれませんね。