ときどき「投資とちがって、労働はリスクがゼロだからそちらを全力で頑張るべき」という人に会いますが、「でも労働には、もらい事故(属しているだけで責任を負わされる)やケガや病気で身体を壊すリスク、そして何よりクビで無収入になるリスクが高く、労働は決してゼロリスクではない。誰かの投資対象がダメになったという話よりも、誰かがクビになり無収入になったという話のほうがもっと頻繁に聞くだろう?」と説明すると、ハッとした顔をします。
少ない元手(勉強くらいしか掛からない?)で手っ取り早く始められるということで、お金を稼ぐには最も簡単でポピュラーな手段かもしれませんが、じつはリスクもコストも手間もかなり大きかったりするのです…。
なので給料一本に頼って生きるのは非常にキケンです。
高給=リスクなのかも…?
まだ機械の性能がそれほど良くなかった時代は、頑張ってお勉強をして、いいお給料がもらえるいいお仕事に就きさえすれば、そこそこ経済的に幸せになることができました。だからこそ給料で年収1,000万円をもらいたいと思う人が多いわけですが、今その価値が崩れつつあります。
ダイヤモンドオンラインの「年収があっという間に3割減!年収1000万 5人「コロナ転落劇」の末路」などをみると、給料一本に頼り切った状態がいかにキケンでリスクが高いかが分かります。
一見すると記事中に登場する5人とも、コロナ禍の影響を受けたとは言っても年収1,000万円から700万円に下がるという軽症程度で済んだようにも見えますが、よく見ると、年齢は50代で役職定年を迎えて現役でいられる時間もあと数年程度なのに高額のローンを抱えていたり、40代であってもクビの可能性がかなり高まっていたりと、実情としては、これ以上の減給あるいは最悪の場合クビになってしまえばすぐにでも生活が破綻しかねないかなり危機的な状況にあるようです。
このうち二人は何とか奥さんにも働いてもらって少しでも収入を確保したいのに働きたくないと断られてしまったり、もうあまり若くはない妻に資格を取ってもらい稼ぎに出てもらう予定で居たりと、「さらに働く」で何とかしようとしてはいますが、思惑通りに打開できるか分からない不安定な状況にあるようです。
この5人の中には「投資」で何とかしようと考えた人もいるようで、景気の良かったころに買った会社を売却処分してそのお金でFXを始めたとのことですが、定期的に事前に決められた料率/額を稼ぐという投資とはちがってギャンブル的な要素が濃いものですぐに勝てるはずもなく、案の定始めてから早々に含み損を抱えてさらに危機的状況に陥ってしまったようです。
5人ともとにかく将来の見通しは暗くて、良くなるということは期待しづらく、ここからは如何にして収入の落ち込みを食い止められるか、という状況にあるようで、全員に共通しているのは、基本的に「働く」以外の収入源を持っていないため、クビになればもしくは倒産すれば、その時点で生活の破綻が確定するという点です。
しかもこの中で一番「若い」人でもすでに40。クビのリスクはもうそこまで迫ってきています。自営で商売をしている一人に関しては、クビはありませんが、雇われて勤めている4人に関しては、高給であるがゆえにコスパも厳しく見られているということで、この先状況が良くなるとか楽になるということはもうなさそうです。
給料一本に頼り続けるのではなく
ではこの危機的な状況において、それぞれどうすればよいかというと、「働く」以外の方法に目を向けることです。
若いほうの人であれば、クビリスクがさらに高まる50代~老後まで時間があるので、その時間を使って、自分の代わりにお金を稼いでくれるもの=例えば不動産や株式やサイトなどを増やしていくことができます。
年収1,000万円ともなれば、不必要な支出を絞れば、ここでいつも提唱している「投資の種銭づくりに毎月3万円以上まずは避けて貯めよう」を簡単にクリアできます。おそらく倍のスピードで、毎月6~7万円くらいを投資用に回すことだってできるはずです。「雇われ一本」であることがいかに危険であるかという思いをもし家族全員で共有して協力することができれば、それ以上に加速させることだってできるかもしれません。
毎月3万円を投資の種銭つくりに回す場合は、およそ十数年で毎月十数万円稼げるところまで到達できますが、予算が倍になれば掛かる時間も半分に減らせます。同じだけの時間を掛ければ毎月30万円以上は稼げるようになるわけで、その時もしまだ働くことができていれば、その上りに手を付けず、さらに投資に回して稼ぎを増やすこともできます。
40代以上になるとクビリスクは確実に高まるようなので、そのとき同じところで働き続けられているかどうかは微妙ですが、少なくともその頃年収が落ちていたとしても、家賃や配当や広告料など投資からの上がりが、「給料だけではやっていけない…」部分を十分にカバーしてくれるはずです。
投資からの上がりは、合計が年収1,000万円を超えてしまったからといって、それだけでリスクが高まるとかだれかに厳しく見られるようなこともありません。基本的に自分で選んでやるものなので、誰かにどうこう言われたり、人のせいでどうこうなるということはあまりなく(=失敗すればそれは自分が原因)、額が小さくても大きくても、もともと背負うことになるリスクがあるのは同じです(借金でやる場合は変わってくるかもしれませんが…)。
給料がいくらであろうが、それ一本で暮らしている限りは常に誰かの都合や経済・社会情勢などに人生を左右されてしまうことになります。「じぶんのためにお金を稼いでくれるもの」を増やし続けていくと、そういったものからの影響を受けにくくなれる(=お金を稼ぎ続けられる)ので、しっかりと積み上げていきましょう。