もしも給料が上がればもっと自由な時間を持ったり生活に余裕を持てるはずと思いがちですが、収入が増えたとしてもほとんどの場合は稼いだ分だけ使ってしまうので、お金を使った分だけ生活の質を上げることは出来ても、余裕を実感することは出来ないようです。
生活に余裕を持つには、まずは「収入-支出」の差額自体を大きくして、その差額を投資の種銭としてある程度貯め続け、それを使ってさらにお金を稼ぐというのが一つの有力な方法です。
働いても働いても
頑張って年収1,000万円以上の高給を手にしたのに、なぜか生活に余裕を感じられないという人は実際周りにもかなり多く居ます。本人たちはなぜそうなるのか分からないそうなのですが、理由は簡単です。稼いでも稼いでも、知らないうちにほとんど使い果たしてしまうからです。
給料の場合は特に、おそらく全部使い切ってしまったとしても、また次の月にもらえるからという安心感みたいなものもあるからかもしれません。パーキンソンの法則にもあるとおりに見事に使い切ってしまう人が多いようです。
いつの間にかお金を使い切ってしまう要因の代表格としては、 LIMOの「年収1000万円でも貧乏?生活レベルを落とせない「背伸び消費」の実態とは」( https://limo.media/articles/-/19533 )などでは、まず高額なマンションなどの賃料もしくは購入費、子供たちの教育費、身なりを整えるために掛かるコストなどが挙げられていますが、この他には例えば外食や旅行なんかも入るかもしれませんね。
お金を残せないのは消費だけが理由でなく、元々給料は「狙われやすい」ところもあって、例えば先程の記事中にもあるとおり、高給をもらっているがゆえに公的な補助が受けられなくなったり、税率が上がって手取りが減るといったことも重なるので、一生懸命働くだけで生活に余裕を持とうとすること自体がそもそも無理に近いところがあります。
消費を減らしたいと思ってもなかなか減らせない事情も少し理解できます。
多くの場合、給料は誰かに見られているところで得られるものなので、身なりや食や住まいや趣味など見比べられるものすべてにおいて、それなりに見栄えのするものを揃えておきたいという心理が働いてしまうのでしょう。本当はためにはならないことにはあまりお金を使わずセーブしておきたいと思っていたとしても、そうしづらい雰囲気があります。ですがそこで「巻き込まれない」勇気も必要です。他人の目を気にし過ぎたりると、お金が掛かります。
とはいえ必要なところにはしっかりとお金を掛けるべきです。たとえば人前に出ることが多い仕事に就いている人であれば、お金を掛けて身なりを整えておくことは必要ですし、健康という資産を保つためには、体にいいものを摂るようにするといった投資が必要になるので、これらをケチるとお金を稼げなくなります。 「それがいくら生んでくれるのか」の判断で、無駄遣いを減らしつつ、必要な投資を怠らないことが重要です。
何も残らなくても人生は一度きりなので、貯め込んだまま死ねば意味がないという見方もあります。少しはいい思い出も持っておかないと自分の人生は一旦何だったのかと後悔することもあるかもしれないので、それも間違いではありませんが、やり過ぎには問題があります。
ぜいたくを楽しみ続けることで、記憶の中にいい思い出は残るかもしれませんが、いい思い出は再利用することができません。もし仕事をクビになり無収入になった場合、その思い出がお金を稼いでくれればよいのですが、まず無理と言ってよいでしょう。
「収入-支出」の差額を広げるところから始める
では生活に余裕を持つためにどうすればよいかというと単純で、まずは「収入-支出」の差額を大きくすればよいのです。だだ年収を例えば500万円⇒1,000万円、1,000万円⇒2,000万円と上げるだけでは差額を広げることは出来ません。当たり前のことながら、収入が増えても生活レベルを引き上げないようにコントロールしなければ、経済的な余裕は生まれません。
差額を広げれば、その分お金を貯めこむことができますが、それだけでも不十分です。よく「お金の専門家」の人たちはとにかくお金を貯めるようにとだけアドバイスをしますが、現金は一度使えば無くなります。
貯金があれば、たとえば仕事をクビになり無収入になったとしても、その危機を乗り越えられるかもしれませんが、無事にどこかに再就職できたとしても、まずはまた次の危機に備えるべく貯め直しからのスタートになります。
歳を重ねていくと、それを繰り返すのもキツくなります。当然、生活に余裕を持つなんてこともできなくなります。
ですから生活に余裕を持つためには、「収入-支出」の差額を広げることができたなら、単純にそのお金を貯め込み続けるだけでなく、そのお金にも働いてもらうといった工夫が必要となります。
具体的には、例えば不動産や株式などの資産を買い、家賃や配当などの稼ぎを生んでもらうのです。そうすれば得た収益を使ってさらに投資をして稼ぎを増やすこともできますし、あるいは今まで何か特に時間を取られていた部分を他の人に任せたりすることで、自分の時間に余裕を持つ・空いた時間で好きなことをやるといったことも可能になります。
「働く」一本ではなかなかそうした余裕を持てません。より一生懸命働いてお金を稼ごうとしても、さらにそれだけ実時間を多く取られてしまうので、経済的・時間的な余裕を持つためには、自分が持つものにも働いて稼いでもらうという感覚が大事です。