生き方が多様化して、今ではずっと一人で生きていくこともそれほどめずらしくは無くなっています。ただ一昔前とはちがって雇用も不安定化している中で、金銭的にはすべて一人で何とかしないとならないため、本当にずっとそれで生きていけるのか不安になる人もいるかと思います。
今回はそういった不安をどう乗り越えられるかについて触れたいと思います。
必ずしも「二人=有利」なわけではない
老後や無収入化といったことについては夫婦二人で居ても不安になる人は多いのに、一人ならなおさら不安になるかもしれません。ですが金銭的に上手くやれるかやれないかは、婚姻歴とあまり関係がないので、 ひとりだからといって老後資金について心配しすぎる必要はありません。
一人で居ると、だれかにいつでも何かを相談したり悩みを分かち合ったりといったことが難しかったりしますが、ひとつ大きな利点があります。
それは意思決定が速さです。自分の決定を邪魔する人がいません。ですから、将来が不安で何か自分なりの対策を打ちたいと思ったら、すぐにでも取り掛かることができます。
過去知人らにアドバイスを求められた際に、ここでも何度か触れたとおり、「夫婦二人で協力をして根性を入れて投資の種銭を作り、資産を買い続ければ、老後不安だけでなく現役の間に失職して無収入になるリスクなども人生の早い段階で軽減できる」と助言したことがありました。
ところがそうアドバイスしても、夫婦どちらかが例えば支出を削るのに反対だったり、あるいは「投資なんて得体の知れないものは絶対ダメ」と反対されたり、なかなか夫婦の意思統一を図れなくて、投資を始めることができず、それどころか毎月の貯金額も増やせなかった例もありました。
何のために時間を割いてやったのかとも思いますが、結局何も変わらなかったというのもよくあることです。心配だけど何もしない人という人は多く居ます。
一人ならすぐに始められる
それに対して一人の場合は、老後不安や雇用不安への対策として、このような手を打つと決めたらすぐに取り掛かることができます。
一人でお金を使える分、無駄な支出が多くてなかなかお金が貯められないという人も多く居ますが、一度「このままではマズい。なんとかしないと」と気付けたら道は開けます。
ファイナンシャルフィールドの「「おひとりさま」の家計とは? 老後対策はどうすればよい?」によると、単身世帯の平均支出は毎月約16万円であるのに対して可処分所得は約28万円近くあるため、やろうと思えば毎月11万円くらいは貯金できる計算になるそうです。
ただ本当の意味での「平均」もっと低いので、記事中にもあるとおり毎年100万円前後を貯めるくらいが現実的なところかもしれません。これでもキツければ毎月3~5万円程度でも大丈夫です。
とにかくこれを単なる貯金として積み上げるのではなく、ある程度貯まったら、お金を生んでくれる資産を買うための種銭として使います。
この種銭を使って買う資産=投資対象は、例えば中古の戸建てなどの不動産や年利換算で4~5%くらいの配当が付く銘柄の株式などです。
年間100万円も「貯める」ことができれば、最初の2年でひとつめの不動産をどこかに買うことができます。その不動産を賃貸市場に出して入居者が付けば、家賃が入ります。
その家賃の上がりを貯め続け、貯金も続けることで、その後もさらに数を増やせます。次は1年半くらいで、3件目は1年強で…と、毎年の貯金額も大きいので6~7年も掛ければ4件くらい持って家賃収入も十数万円になるでしょう。
その後は現金に近いものも持っておき流動性も確保するという意味で、株式への投資に切り替えることで、毎年~1年半毎に、毎月平均で1万円以上の配当収入を積み上げていくことができます。
このように計10~15年で、自分の給料の大半に相当する額の副収入を稼げているようになります。そうすることで、老後どころか現役の間に仕事がクビになり無収入になるリスクへの備えも万全になります。
ここまで来るのに独身であるか既婚であるかはあまり関係ありません。
それに単に現金を貯めこむだけでは、こういったことはできません。
現金は一度使ったら手元から消えて無くなります。貯めておけば、一度はそれを使って助かるかもしれませんが、次にまた何かの別の危機が来た時にはどうにもなりません。 そこそこ貯められたとしても、減るのがイヤだ=何もできない、となって人生を楽しむのも難しくなります。
先程の記事中には「60歳以降の5年間(年金受給開始年れにまでの5年間)もし働けなかったとしても、貯蓄を取り崩せば乗り越えられる」とありますが、取り崩して額が大きく減ればその後ほぼ必ず不安を感じるはすなので、あまり良いやり方ではありません。 消えて無くなるものは、いくらため込んでも絶対に安心を得ることは出来ません。
蓄えを取り崩して何とかする、ではなくお金に働いてもらいお金を稼ぐの発想を持てば、老後も失業も怖くは無くなります。
生きていくためには、お金以外にも頼れる人を持つといったことも人間関係の部分も大事ですが、少なくともお金の部分に関してはこういった解決策もあるので、ひとりだからといって将来を心配し過ぎなくても大丈夫です。