50歳代からの選択肢
「人生100年時代」
と言われる現代、元気なシニア世代が多く様々ななところで働いている姿を見かけます。
2019年の日本人の平均寿命は、男性が81歳で女性は87歳となっています。
そのため、60~65歳で退職した後、約20年は第二の人生を歩むことになります。
第二の人生は、働く期間が延びるということでもあり、一度リタイアしても
新たに活躍できる人生があるとういうことでもあります。
日本では昔から、多くの企業が60歳での定年制を採用しています。
そこで高年齢者雇用安定法によって、企業に対して最低65歳までの雇用機会の確保が義務付けられています。
そのため定年後、非正規として一年ごとに更新する再雇用の制度をとっている企業がほどんどです。
そう考えたときに、60歳はターニングポイントであり
人生を再検討するチャンスでもあるのです。
ただ、50歳代から定年後のことを考えておくべきです。
というのも再雇用の場合は、現役時代よりも給与などの待遇面が下がりますし
これまでの権限や責任もなくなるケースがあるからです。
再雇用制度なら安心と思うかもしれませんが、生きがいや金銭面でほかにどのような選択肢や可能性があるのか
よく検討することが重要です。
できれば50歳代から定年後の準備にとりかかるのがベストかもしれませんね。
自分の武器を把握しよう
定年後、どのような生活を送りますか?
生活のため、健康のため、社会のため、社会とつながるため、時間を持て余さないため。
それぞれの理由があるかと思います。
定年後に働くための準備として、自分にはどんなスキルや経験、知識や資格があるのか、自身の武器をよく知っておくことが大切です。
これまでの会社の肩書は通用しないので、売るのはあくまで自分自身です。
それがどのような業種、分野に自分を生かせるのか。
またその業界の未来は大丈夫か、などをリサーチすることも大事です。
シニア層に求められるのは即戦力なので、知恵や経験を生かせる職場や環境を探しておくといいと思います。
もし自分の武器を広げたいなら資格取得という手もありますが
難易度の高いものや、資格取得後の高度な業績を重要視するものは現実的ではありません。
何をしたいのか方向性を定め、そのために必要な資格取得に動くことが大切です。
もう一点重要なのは、これまで働いてきた中であれはおもしろかった
これはやりたくなかったといった自分の経験を振り返り、次の仕事ではどんなことをやりたいのかを考えることです。
また、人脈なども大切です。
シニア層の求職では、願った通りの仕事先を見つけることは簡単ではありません。
そうしたときに人脈が生きることがあります。
先々を見据えて、幅広い人脈を築いておくことに越したことはありません。
生活スタイルに合わせよう
働き方改革の推進によって、残業の規制や同一労働同一賃金、在宅勤務の推進、副業・兼業の解禁など、
これまでの働き方が大きく変わってきています。
最近は、早期退職し早めにセカンドライフをスタートする人もいます。
退職後の働き方はさまざまであり、再雇用や雇用の延長では来年4月から
改正高年齢者雇用安定法が施行され、70歳までの就業機会の確保が努力義務となります。
企業によっては、再雇用年齢が上がる可能性がありますが、今までのように全員再雇用とはいかなくなるのも事実です。
また、フルタイム勤務への再就職や人材派遣会社に登録しての雇用契約、パートやアルバイトという働き方や
現役時代の副業を生かす方法、特技などを生かしてフリーランスで働くとの選択肢もあります。
定年後は自分が望む生活スタイルや収入を考慮して考えることが重要ですが
給与や労働条件などの待遇は望み通りにいかないことがほとんどです。
だからこそ、60歳や65歳になったときに
「どうしよう…」
と悩むことのないように、定年後の人生設計を見据えておくことが大切かもしれませんね。